しまなみ海道で巡る「村上海賊」の実像 サイクリストの聖地化したゆかりの島々とは

茶や連歌をたしなんだ水軍の意外な一面を知る

 因島から生口島を経て大三島ICで下りると、すぐ近くに斜張橋の多々羅大橋(全長1480m)を望む道の駅多々羅しまなみ公園がある。そこのレストランで、マハタ薄造り御膳1950円を注文した。マハタは、漁獲量が少ないため、“幻の高級魚”と呼ばれる魚。コラーゲンたっぷりで実に美味。プリプリした食感も楽しく、満足して平らげた。

 大三島では、大山祇(おおやまづみ)神社を訪れた。日本総鎮守として古くから信仰を集め、樹齢2600年の大クスノキや宝物館などを見る。近くの日帰り入浴施設の多々羅温泉はラドン塩化物冷鉱泉の湯。ドライブの疲れを癒やすのもいいだろう。

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道の駅多々羅しまなみ公園のレストランのマハタ薄造り御膳(飾磨亜紀撮影)。
多々羅温泉は、しまなみ海道で唯一の天然温泉(飾磨亜紀撮影)。
海と山の守護神として信仰されてきた大山祇神社。神紋「隅切折敷に縮み三文字」は来島村上氏が家紋とし、氏神として奉った(飾磨亜紀撮影)。

 大三島橋を渡ると、伯方島だ。ここで能島村上家の菩提寺である禅興寺に参拝後、大島の村上水軍博物館へ向かう。安土桃山時代の宣教師のルイス・フロイスに“日本最大の海賊”と評された能島村上氏の村上武吉、景親父子の羽織や最近の発掘調査で見つかった茶道具などが展示されていた。「海賊というと野蛮なイメージを思い浮かべがちですが、船を巧みに操った戦法や、茶や連歌などの文化を好んだ側面も知ってほしいですね」というのは、学芸員の田中謙さん。村上水軍の実像が少しは理解できたような気がした。

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村上水軍博物館の外観(飾磨亜紀撮影)。
「『村上海賊の娘』関連のコーナーも新設しました」と語る学芸員の田中謙さん(飾磨亜紀撮影)。
村上水軍ゆかりの品々を展示(飾磨亜紀撮影)。

 大島の道の駅よしうみいきいき館から出航する急流観潮船は、約50分で来島海峡を巡る。間近に迫る荒々しい急流は迫力満点で、水軍気分も味わえる。来島村上氏の本拠地だった来島も近くで見ることができた。

 総延長4km以上の三連吊橋・来島海峡大橋を走っていると、左右に大小の島々が散らばり、船が行き交う光景が見えた。点在する多くの島も、村上水軍は「地の利」として、戦法に活用したのだろうか。

 橋を渡れば、そこは今治。本州~四国間を走破して、旅に終止符を打った。

※ ※ ※

・因島フラワーセンター
 9時~17時/祝日を除く火曜休、年末年始休/無料/電話0845・26・6212(尾道市因島総合支所しまおこし課)
・因島水軍城
 9時30分~17時(1月2・3日は10時~15時)/祝日を除く木曜休、12月29日~1月1日/310円/電話0845・24・0936
・大山神社
 9時~17時/境内自由/電話0845・22・0827
・大山祇神社
 早朝~17時/境内自由(宝物館は1000円)/電話0897・82・0032
・多々羅温泉
 10時~19時30分/火曜休(祝日の場合は営業)/300円/電話0897・87・4100
・道の駅多々羅しまなみ公園
 9時~17時(レストラン10時~16時)/無休/電話0897・87・3866
・禅興寺
 境内自由/電話0897・72・0126
・村上水軍博物館
 9時~16時30分/月曜休(祝日の場合は翌平日休)、12月29日~1月3日休/300円/電話0897・74・1065
・来島海峡急流観潮船
 9時頃~16時頃/12月~2月は団体予約(5人以上)のみ/1500円/電話0898・25・7338(2日前までの予約)、電話0897・84・3710(前日・当日の予約)

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『旅行読売』2017年9月号。特集は「わざわざ出かけたい 道の駅」と「星降る 高原、海の宿」。

・旅行読売(Fujisan.co.jp)
http://www.fujisan.co.jp/product/2782/ap-norimono

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 昔は大分から神戸まで定期で瀬戸内を航行するフェリーがあったのだけど、確かによい場所ですよ、造船所もあって進水式も一般に披露されたり、青函航路などの中型フェリーの受注も盛んで、また別の観光スポットとしてもいいですね

    • さんふらわあの神戸~大分航路で日中運航を年に4回程度やっているみたいです。
      天気がよければ最高の景色が拝めるでしょうなあ・・・。