F-16、いつまで生産? 工場変更、コストに見合わない引っ越しのワケ

19機では割が合わない? 工場を移したワケ

 前記の通りF-16の総生産数は4500機を上回り、その絶大な量産効果によって機体自体はかなり安価に製造できることが大きな特徴となっています。しかしながら生産冶具をグリーンビル工場に移し、新たに生産ラインを立ち上げるには追加投資が必要となり、これを回収するには19機の生産では明らかに割が合いません。

 ではロッキード・マーチンはなぜ、フォートワース工場のF-16製造ラインを閉鎖したのでしょうか。最大の理由はF-35の生産にあります。

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F-35の製造が進む、ロッキード・マーチンのフォートワース工場(画像:ロッキード・マーチン)。

 現在F-35は、低率初期生産ながらすでに200機以上をフォートワース工場において製造しており、300機超えも目前の状況です。また今後2018年からはいよいよF-35の全規模量産が始まり、ピーク時には実に年産約200機、すなわち平日はほぼ1日1機が工場から出荷される予定です。

 現在のところF-16とF-35は同じ工場の内部で製造されていますが、F-16のラインは片隅に追いやられているのが実情であり、ロッキード・マーチンとしてはF-16を細々と生産し続けて、F-35の生産を阻害しかねない事態だけは許容できなかったと見られます。

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コメント

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1件のコメント

  1. うーむ、4500機超か。そりゃあ安くなるわけだ。しかし今更改良型をって、ステルスなんか要らない中小国にとっては安ければよいから、案外売れる、かなあ。まあT-Xに関してはそもそも韓国と手を組んだのが間違い(つい最近まで国産練習機の機上酸素発生機すら自国企業での整備が不可能だった)だし、見かけ戦闘機なら他にもありそうだから。まあ、どうでもよいか。