F-16、いつまで生産? 工場変更、コストに見合わない引っ越しのワケ

もうひとつの理由はT-Xか

 そしてもうひとつの理由は、現在アメリカ空軍において行われている次期練習機選定T-Xの存在です。ロッキード・マーチンは韓国のKAIと共同開発したT-50A「ゴールデンイーグル」を候補として提案しており、もしT-Xに勝利した場合は最低でも350機、最大で1000機以上の仕事をグリーンビル工場にもたらすことになり、F-16の生産終了からスムーズに製造機種を転換することができます。

 しかしながらT-Xはボーイングとスウェーデンのサーブによって共同開発されたBOEING T-Xと一騎打ちの状態にあり、T-50Aが勝利するかどうかはいまのところ五分五分の状況です。もしロッキード・マーチンがT-Xに敗北した場合、グリーンビル工場の航空機製造はバーレーン向けF-16を19機製造して終了という最悪のシナリオも十分に考えられます。

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2012年4月、F-16は4500機のデリバリーを達成、セレモニーが開かれた(画像:ロッキード・マーチン)。

 グリーンビル製F-16ブロック70は今後さらに受注数を伸ばし、F-16の命数をさらに延ばすことができるでしょうか。戦闘機市場最大の勝利者だったF-16「ファイティングファルコン」、最後の戦いが始まろうとしています。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. うーむ、4500機超か。そりゃあ安くなるわけだ。しかし今更改良型をって、ステルスなんか要らない中小国にとっては安ければよいから、案外売れる、かなあ。まあT-Xに関してはそもそも韓国と手を組んだのが間違い(つい最近まで国産練習機の機上酸素発生機すら自国企業での整備が不可能だった)だし、見かけ戦闘機なら他にもありそうだから。まあ、どうでもよいか。