希望で再教育、自動車教習所の「ブラッシュアップ講習」始まる その狙いとは?

免許取得から50年間は再教育の「空白」 新講習はどう展開?

——なぜ新たな講習を導入するのでしょうか?

 指定自動車教習所で免許を取得しようとする人の97パーセントは20歳前後で、以後、ほとんどの人は70歳代での高齢者教習まで、再教育を受けることがありません。この期間は「空白の50年」とも呼ばれています。公安委員会などでも再教育の重要性が説かれているものの、これまで具体的な制度がつくられてきませんでした。

 一方、少子化の影響から指定自動車教習所の経営はますます厳しくなっており、現時点(編集部注:2017年9月現在)で1279校ある当会の加盟校も、毎年10校くらい閉鎖を余儀なくされています。免許取得のための教習はもちろん、高齢者講習の受け皿という公的役割を指定自動車教習所が担っていくための施策のひとつとして、「ブラッシュアップ講習」を位置付けています。

——普通自動車以外も対象でしょうか?

 はい。当会が推奨している運転測定機器はシガーソケットに取り付け可能ですので、シガーソケットがある4輪の教習車であれば、普通自動車に限定するものではありません。

——今後、この講習をどのように展開していくのでしょうか?

 まずは世にしっかりと認知され、効果を認めてもらうことが大切です。そのうえで、国や警察などから公的な制度として検討されれば、対応していきたいと考えています。たとえば、現在の高齢運転者制度は年齢に応じ一律で、“個人差”があまり考慮されていませんが、その人の運転技術を証明するものとして講習の結果が活かせるのではないでしょうか。また、近年は「テレマティクス保険」といって、個人の運転技能に応じて保険料を決める自動車保険も登場していますが、こうしたものにも運転データを活用できるかもしれません。

※ ※ ※

 全指連によると、講習は共通の要件に基づくものの、教習所ごとにカスタムが可能で、受講時間や料金も異なってくるといいます。

 たとえば9月20日(水)から講習を開始した栃木県の宇都宮清原自動車学校(宇都宮市)では、1時間あたり税別6000円で、1講習につき2時間を設定。まず実車走行を行い運転レポートを発行し、それに基づき運転技術を指導。再度実車に乗り1回目の走行と比較し、最後に危険予測の講習を行うという流れで、全指連の講習会を受講した教官が担当するそうです。これは全指連の基本的な案に基づいたカリキュラムで、今後、必要に応じてカスタムしていく可能性もあるといいます。

 同校には講習開始前から問い合わせも寄せられているそうですが、その多くは「70歳を過ぎた方からです。運転に自信はあるものの、自分の技能を目に見える形で確認したいという声があります」(宇都宮清原自動車学校)とのことです。

【了】

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コメント

2件のコメント

  1. 難しいね、免許歴が運転歴じゃないし、俺が死ぬ思いで取った試験場だけの当時のバイクの限定解除も、俺のお袋なんて自動車免許に自動二輪が付いてきたって話だからね、しかし今回の再講習に高齢者教習に認知症診断で免許返納、これらが同時進行だから逆に怖い

  2. 高齢者に限らず、免許取得から時間が経過してくると「我流」がどんどん進んで基本がおろそかになります。市中では「もう一度教習所から出直したほうが」と思うような運転をする人が増えていると感じます。
    免許制度の中で、たとえば10年経過したらこうした見直しを受けて採点してもらう といったステップがないと適性検査とビデオだけでの更新では本人が意識していない変な癖が直らない(気付く機会がないまま)でしょう。
    実際に技量やモラルが不適正でどうしても直せない場合には取り消しを視野に入れても良いぐらいだと思います。