クレーンも使ってすべて分解 東京メトロ「鉄道車両の車検」に密着(写真54枚)
自動車に「車検」があるように、鉄道車両も法令に基づく一定周期の検査が義務づけられています。東京メトロの車両基地を訪ね、「鉄道車両の車検」で何が行われているのか取材しました。
鉄道車両にもある一定周期の法定検査
鉄道車両は、1両で100人以上の人を乗せることもある大量輸送機関の乗りものです。走行中にブレーキ装置が突然故障したりすれば、大変なことになります。そうした事態にならないよう、日々の点検や修繕が重要です。
自動車に「車検」と呼ばれる法定検査があるのと同様、鉄道車両も一定の周期で検査を実施することが、法令により義務づけられています。法令に基づく一定周期の検査のことを、鉄道の世界では「定期検査」と呼んでいます。
鉄道車両の定期検査では、どのようなことが行われているのでしょうか。2018年2月、定期検査を行っている東京メトロ深川車両基地(東京都江東区)を訪ね、検査の様子を取材しました。
深川車両基地は、東西線の東陽町駅から南へ約500mのところにある車両基地です。敷地面積は8万6860平方メートルで、東京ドームの1.8個分という広さ。300両の車両を留置することができます。この広大な敷地に深川検車区と深川工場があり、どちらも定期検査に対応した施設が設けられています。
まず最初に向かったのが、定期検査のなかでも比較的簡単な検査を行っている深川検車区の整備場。この整備場は2017年5月に完成した、最新の設備を持つ検査施設です。10両編成2本分の線路が敷かれていて、線路の下とその両脇を一段低くしたピットになっています。車両の床下に設置されている機器類を容易にチェックできる構造になっているのです。
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