クレーンも使ってすべて分解 東京メトロ「鉄道車両の車検」に密着(写真54枚)

カーテンに覆われた場所で徹底的にチェック

 いよいよ台車からの分離作業がスタート。車体がアームに引き上げられて宙に浮き、脇にある台座の上へと移動します。台座の真上に到達後、ゆっくりと下へ移動して台座の上に載りました。

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車体は線路の脇にある台座に移動。作業が始まってから約15分かかった(2018年2月、草町義和撮影)。

 台抜き作業が始まってから終了するまでにかかった時間は、1両につき約15分。車体がアームから外れたり、台座の所定位置に「着地」しなかったりすれば、大事故につながります。細心の注意を払いながら車体を移動させなければならないため、どうしても時間がかかってしまうのです。

 これで車両の分解作業が完了したわけではありません。車体の床下に設置された機器類と、台車に搭載されたモーターの分離作業が行われ、それぞれ隣の作業場に移されました。いずれも人の手で持てるような重さではなく、モーターはクレーンを使って隣の作業場に移動しました。

 分解された各部品は、それぞれ専門の部署で分解して検査を行います。検査場の2階には、チリやゴミの流入を防ぐためのカーテンで覆われたエリアがあり、中に入るとブレーキ装置で使われている部品の清掃や検査が行われていました。

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モーターも台車から取り外してクレーンで隣の作業場に移動した(2018年2月、草町義和撮影)。
ブレーキ装置で使われている部品の清掃の様子(2018年2月、草町義和撮影)。
ブレーキ装置の試験装置(2018年2月、草町義和撮影)。

 ブレーキ装置は圧縮した空気を使って動作しますが、チリやゴミが紛れ込むとブレーキの性能に影響してしまうため、カーテンに覆われたエリアで作業しているのです。数人の作業員が真剣な目で部品を磨き上げていたほか、大型の試験装置を使って修繕した部品のチェックが行われました。

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