クレーンも使ってすべて分解 東京メトロ「鉄道車両の車検」に密着(写真54枚)
座席も、台車も、モーターも
取材時には、東西線の列車で使われている15000系電車の10両×1編成が、車庫内の線路に入っていました。よく見ると、赤地に白で「月検」と記された旗が、先頭車の下の方に取り付けられています。
ピットには作業員が数人入り込んでいて、車体の床下に設置された箱のふたを開けています。箱の中は複雑な配線があり、作業員は小型の懐中電灯で照らしながら配線の状態をチェックしていました。
比較的簡単な検査を行っている深川検車区に対し、車両基地の東側にある深川工場では、車両の分解を伴う大がかりな検査が行われていました。
深川検車区での検査作業を見学してから数百m離れた深川工場に移動すると、先頭車1両を含む合計3両が、検査場の手前にある線路に停車しているのが見えます。線路の脇にはプラットホームを設けた倉庫があり、車内の座席を取り外して倉庫に運び込む作業が始まっていました。
座席を取り外す作業が終了すると、3両の東側に業務用の小型機関車が連結され、西側の検査場に押し込んでいきます。3両が検査場にすべて入ったところで1両ずつ切り離し、続いて「台抜き」と呼ばれる作業へと移りました。
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台抜きとは、車体を持ち上げて台車から分離する作業のことです。検査場の天井に大型クレーンが設置されていて、車体の横にあったアームがゆっくりと移動。車体の両端に達したところで方向を転換して車体を囲うようにして進み、アームと車体が接続されました。
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