アジアンタイヤは市民権を得たか 「安かろう悪かろう」を払拭?
品質の実際のところは? 気になる補償制度も
前述のように、世界タイヤ市場でシェアを伸ばしてきているアジアンタイヤ勢ですが、実際の数字はどのようなものなのでしょうか。2005(平成17)年と2016年で比較しました。
ブリヂストン、ミシュラン、グットイヤーなど、上位の顔ぶれはほとんど変化がありませんが、トップ3のシェアは減少。それに対し、9位以下に2005年にはランク入りしていなかったアジアのタイヤメーカーが登場しており、わずか10年間あまりで変化していることがわかります。「その他」の数字も大幅に増えました。ここには多くの新興アジアンタイヤメーカーが含まれていると思われます。
ちなみに、このデータは「総売上高」におけるシェアであるため、自転車から巨大な鉱山ダンプタイヤまで、すべてが含まれます。タイヤの本数ベースで比較すると、価格の安いアジアンタイヤはもっと上位に顔を出す可能性もありそうです。
では、実際の品質やアフターフォローについてはどうなのでしょうか。2000(平成12)年からスタートしたネット通販で累計2000万本近く、近年では年間200万本のアジアンタイヤを販売してきたオートウェイの岡本さんは「日本で販売されるアジアンタイヤの多くは、日本のタイヤメーカーと長年にわたって技術提携を行ってきており、品質も年々向上しています」と話します。
「当社で販売するタイヤにはすべて保証が付いており、初期不良などあれば迅速に対応しています。また、オートウェイの取扱製品はすべてにPL保険(製造物賠償責任保険)が付保されていますが、補償内容は各社異なるため、補充する意味で別途、国内の『中小企業PL保険制度』にも加入しています」(オートウェイ本社営業部 岡本翔さん)
「中小企業PL保険制度」では、タイヤの製造者に責任があるとされた事故において1件あたり3億円まで補償されるとのことですが、岡本さんによれば、これまでオートウェイで販売してきた2000万本のタイヤにおいて、その保険を使ったことは過去一度もないそうです。
価格、売上、品質と、アジアンタイヤメーカーの躍進は目を見張るものがありますが、さて10年後はどうなっているでしょうか。
【了】
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