経営破綻中のアリタリア ANAとの提携の先にあるものは

今秋よりANAとコードシェアを開始するアリタリア。経営破綻後、未だ売却先が決まらないなかで、1社独占の人気路線の座席をANAに供給する背景に、会社再建への模索があるのでしょうか。

ANA×アリタリアで何が起きる?

 2018年3月23日(金)、ANA(全日空)とイタリア-アリタリア航空が10月末からコードシェア便の運航を開始すると発表しました。成田〜ローマおよび成田〜ミラノ、ローマからイタリア国内6路線、成田から日本国内5路線でのコードシェアです。

 この提携は、ANAのメリットはわかりやすいものでした。

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アリタリア航空の機体(画像:Przemyslaw Szablowski/123RF)。

 JAL(日本航空)もANAもイタリアへ直行便を就航していた時期がありますが、2018年3月現在、運航しているのはアリタリアのみです。およそ8年間、アリタリアの1社独占路線で、いわゆる「相互乗り入れ」は行われていませんでした。そうしたなかでの今回の提携は、コードシェアではあるものの、日系キャリアによるイタリア線の復活。運航を行うのはアリタリアで、ANAが座席を買いとって販売。空港業務もアリタリアが行うため、ANAにとっては自社便開設と比べてコストがかなり安くすみます。

 またイタリアは日本人にとって年間約40万人が訪れる人気の目的地(2015年観光庁統計)。そのうえ、ヨーロッパ各地への乗り継ぎ旅客なども含めて直行便の搭乗率は高く、席を埋めるのは難しいものではありません。また、ミラノやローマからのネットワークを広げられ、イタリアでの認知度も上がります。知名度が上がれば、2020年東京五輪の訪日需要をさらなる追い風にすることもできるでしょう。自社のサイトで日本各地からローマやミラノへの往復チケットを販売でき、日本の国内区間の売り上げにもつながるなど、様々なメリットがあります。

 では、アリタリアのメリットは何があるでしょうか。

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コメント

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1件のコメント

  1. コードシェア便、単なる乗客にとって迷惑ですね!
    2年程前、カンタス航空のロサンゼルス=>サンディエゴの航空券をネットで格安購入、米国ロサンゼルス国際空港LAXのカンタス航空のチェックインカウンターに出向いたら、ここじゃないと言われ、さらに、どこでチェックインするのかカンタス航空のチェックインカウンターにいる係員もしばらくわからず、ひどい目にあいました。
    大きなスーツケースを持って、ヨロヨロ大空港を動くのは大変です。