片道たった36分のSL列車「大樹」乗車レポート 短い時間だからこそのサービスとは?

車内販売はありがたい「プレゼンテーション」

 発車ギリギリになって乗り込んだ客車内は、初めてなのにどこか懐かしく、ホッとします。SLの全盛期を知らない私でも、何度となく資料や映像を目にしたり、思い出話を聞いたりしているうちに想像した雰囲気そのままで、タイムスリップしたような感覚になりました。座席にはリクライニング機能がついているものの、背もたれは倒す角度を調整できず、背中を離すと、同時にカチャンと音がして強制的に元の位置へ戻ってしまいます。この昔のリクライニングシートの感覚を味わえただけでも、来た甲斐があったと思えます。

 各車両にはアテンダントさんがいて、「寒いですよね。暖房もうすぐ効くので待ってね」と、3Dの記念乗車証を持ってきてくださいました。1日3往復で6種類、発車時刻により異なるデザインで、集めると枚数に応じてオリジナルグッズがプレゼントされるそうです。

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列車で異なるSL「大樹」の記念乗車証。
座席に用意されている手書きのイラストマップ。
SL「大樹」の車内販売で購入した「黒いアイスクリーム」。

 発車してすぐ、田んぼから手を振ってくれているおじいちゃんに気づき、私も振り返しました。座席のポケットに入っていた手書きのパンフレットにも、手を振るポイントがイラストマップで示されています。SL「大樹」がどれだけ愛され、大切にされているか伝わってきます。

 車窓からは鬼怒川も見え、この日はあいにくのお天気でしたが、わずかに残った紅葉が綺麗でした(乗車は2017年11月)。見惚れていると、プロカメラマンによる記念撮影の順番がまわってきました。「はい、『大樹』!」の掛け声でパシャリ!

 すると車内販売がまわってきたので、名物の「黒いアイスクリーム」をゲット。イチゴ味もバニラ味も「黒」ですが、いちばん違和感のないゴマ味を選びました。

 SL「大樹」の運行時間は36分と短めで、車内販売は、何度もまわる時間が無いこともあってか、ひとりひとり目を合わせておすすめしてくださる、まるでプレゼンテーションのようなもの。声をかけそびれてしまいがちな私には、ありがたいサービスでした。

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