ANA最長便は、深夜から早朝まで14時間半かかる(写真48枚)

ANA最長路線であり、そのうち特に所要時間が長いメキシコシティ発成田行きの「ANA便最長所要時間」のNH179便は、深夜から早朝まで14時間半かかります。CAにとっても、かんたんではないようです。

ANA最長路線で、最長所要時間の便

深夜から早朝まで14時間半の便は、かんたんではないことも(1分53秒)。

 長さ7003マイル、約1万1300kmと、ANA(全日空)で最長の路線である成田=メキシコシティ線(区間基本マイル)。特に、成田行きのNH179便は“長い”です。偏西風に逆らうため、所要14時間35分。メキシコシティ行きより2時間20分、所要時間が長くなっています(すべて2018年1月のダイヤ)。

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メキシコシティから早朝の成田空港へ到着したNH179便。機材はB787-8(2018年1月、恵 知仁撮影)。

 このANA最長距離&所要時間のNH179便、深夜から早朝まで、14時間以上かかります。メキシコシティ発は午前1時00分で、成田着は午前6時35分。この現地時間でみると所要5時間半の夜行便にも見えますが、日本とメキシコの時差は15時間(冬)。実際の所要時間は14時間半になります。冬場、メキシコシティから成田まで、窓外はずっと暗いままです。14時間半。

 このため同便は機内サービスに、特に気を使うそうです。深夜に離陸し、14時間以上経過したのち、早朝の着陸。食事など、いつ出すべきか……。

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2018年1月14日のNH179便クルー。
ビジネスクラス「お好きなときに」のメニュー。
人気という一風堂のラーメン「そらとん」。

 たとえばビジネスクラスの食事、成田を16時40分に出発するメキシコシティ行きはコース料理が出ますが、成田行きは「離陸後のお飲み物とともに」「お好きなときに」「お目覚めのあとに」といった、柔軟性の高いメニューを用意。照明が抑えられた状態が長く続くなか、どうすれば満足してもらえるか、CAは試行錯誤を続けているそうです。実際に搭乗した成田行きNH179便のビジネスクラスでは、機内が暗いなか目覚めて、読書灯をともしたとき、特に呼んでいないながらも、「お飲み物はいかがですか?」とCAに声をかけられたのが印象的でした。

 ちなみに東京発着のANA区間基本マイルは、ニューヨークが6723、ワシントンD.C.が6762、ロンドンが6214です

【了】

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Writer: 恵 知仁(乗りものライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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3件のコメント

  1. 全日空のメキシコ線機内にも、この路線が発着する日本の空港のラウンジにも、メキシコを代表する酒、テキーラは、ありません。

    日本に乗り入れている日本国外のエアラインが、日本酒や焼酎を積んでいたり、ラウンジにおいてあったりするのとは対照的です。

    桂秀光

  2. > 現地時間でみると所要5時間半の夜行便にも見えます

    国際線のことを少しでも知っていればそうは見えませんが、敢えてのっかったとすると、成田着は+1なので29時間半ですよ。

  3. 14時間で長い?
    昔、アムスから東京まで南周りの路線がありました。最初はギリシャだったかなぁ、次は中東だったかなぁ、インド、バンコク、台北も寄ったかなぁ。クルーは2回か3回入れ替わっていました、途中の空港ではミールも乗せ替えです。
    その度に機内食が出ます、少し長い距離だと2回、とにかくいっぱい食べました
    日本人のCAさんは一度日本を出発すると、途中の経由地で、降りるのはいいのですが、場合によっては戻ることもあるので2週間以上家には戻れないそうです
    乗客は途中で乗り降りする人もいますが大半の人は終点の東京まで合計25時間くらいエコノミーでも座って過ごします。そろそろ消滅すると聞き(30年くらい前)ワザワザ乗ったのですがすごい体験でした