列車の指定席と自由席、それぞれの利点は どっちでもない「座席未指定券」導入の特急も

全席が「指定」であり「自由」でもあるJR東日本の新しい指定席システム

 指定券とは本来、座席が指定されているものですが、なかには乗車の列車・号車までが指定されながら座席が指定されないものも。

 東北・北海道・秋田新幹線の「はやぶさ」「はやて」「こまち」、北陸新幹線の「かがやき」は全車両が指定席です。これらの列車が満席の場合、乗車列車と号車が指定された「立席特急券」が発売されることがあります。

 席の指定がないため、このきっぷの利用者は、指定号車のデッキなどで過ごすことになります。また、規則上は途中で席が空いても座席に座ることはできません。

 また、JR東日本では特急「スワローあかぎ」「ひたち」「ときわ」「成田エクスプレス」に、新しい指定席サービスを導入しています。

 これらの列車は全車両が指定席ですが、乗車する日と区間が指定されていて座席が指定されていない「座席未指定券」(指定席特急券と同額)があれば空いている指定席に座れます。つまり、すべての車両が、いわば指定席でもあり自由席でもあるというわけです。

 たとえば特急「成田エクスプレス」の場合、海外旅行からの帰りに、航空機の遅延や入国手続きなどで何時の列車に乗れるか読めないときもあります。このような場合はとりあえず座席未指定券を用意しておき、成田空港駅や空港第2ビル駅で、スケジュールに合った列車の指定席を改めて取るか、比較的空いているようであればそのまま無指定で空いている席に座るといった使い方ができます。なお、駅で指定を受ける際に追加料金は不要です。

 このように、指定席・自由席にもいろいろな種類があります。旅行の際は、自身の旅行スタイルに合わせた組み合わせでうまく活用したいところです。

【了】

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Writer: 児山 計(鉄道ライター)

出版社勤務を経てフリーのライター、編集者に。教育・ゲーム・趣味などの執筆を経て、現在は鉄道・模型・玩具系の記事を中心に執筆。鉄道は車両のメカニズムと座席が興味の中心。座席に座る前に巻尺を当てて寸法をとるのが習慣。言うなれば「メカ&座席鉄」。

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コメント

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6件のコメント

  1. 新幹線が停電になったとき、指定席にしてよかったです。もし自由席だったら完全に座れなかったでしょう。
    そういう時に、特別に指定席に差額なしで座らせたら自由席の乗客も楽になっていたでしょう。
    緊急時は、座席未指定券を発行して上手く対応すればいいと思います。

  2. ・また東京基準でしか記事が展開されていない
    ・またGW前にやればいいのにというネタ

    • 天子さんが東京におるんや
      しゃあないやないか

  3. 自由席か、新幹線の場合は自由と言うより放し飼いのような気もするが

    • マナー最悪ですからね。吐き気がするので最近は近寄りもしません(笑)

  4. JR東日本は自由席が極めて大嫌いな会社ですから仕方ないです。まだ公式での発表はありませんが、最終的にはJR東日本内(JR他社や他の鉄道会社から自社に乗り入れを含む)のすべての特急や新幹線は全列車全車指定席にする予定であります。もちろん現在一部で適用している立席なんて救済措置は一切なしです。要するに希望列車に満席などで乗れなければ諦めるしかなくなります。更に、首都圏の普通列車グリーン車も全線全列車指定席に移行予定だそうです。要するに将来的に自由席特急券はもちろんのこと、特定特急券、座席未指定券(いずれも空席着席)たるものはJR東日本から完全に消滅します。よって特急・新幹線を利用する場合は完全に値上げでかつ、距離の長短や停車駅の多少(速達タイプ[はやぶさ、こまち、かがやき、ひたちなど{ただこれらは既に全列車全車指定席に移行済}]、多停車タイプ[やまびこ、はくたか、つばさ{臨時便の大半は全車指定席→定期便も全列車全車指定席に移行予定}ときわ{既に全列車全車指定席}など])に関わらず座席が取れないと乗車不可となるため益々敷居の高い列車となります。