「昔の成田空港駅」地下ホームを公開! 京成の東成田駅が開業40周年(写真54枚)
成田空港の昔のアクセス駅だった東成田駅が開業40周年を迎えます。京成電鉄はこれに先立ち記念イベントを開催。かつて使っていた「旧スカイライナー専用ホーム」を一般に公開しました。
懐かしの駅名標「なりたくうこう」残る
京成電鉄は2018年5月20日(日)、成田空港(千葉県成田市)の敷地内にある東成田駅で開業40周年の記念企画を実施。現在は閉鎖されている「旧スカイライナー専用ホーム」を一般に開放しました。
東成田駅は、現在の第1旅客ターミナルビルと第2旅客ターミナルビルの中間に建設された地下駅です。成田空港の開港翌日の1978(昭和53)年5月21日、空港内の鉄道駅としては一番最初に開業。当時の駅名は「成田空港」で、京成上野~成田空港間を結ぶ空港アクセス特急「スカイライナー」の運行も始まりました。しかし、この駅は空港のターミナルビルから離れていて、駅からターミナルビルまではバスに乗り換える必要がありました。
この不便を解消するため、JR東日本と京成電鉄はターミナルビルに直結する新しい成田空港駅を1991(平成3)年に開業。京成のスカイライナーも新しい成田空港駅に乗り入れるようになりました。
そのいっぽう、それまでの成田空港駅は現在の「東成田」に名前が変わり、スカイライナーの乗り入れも中止。ふたつあるホームのうちスカイライナー専用ホームが閉鎖され、おもに空港の従業員が使う通勤駅に変わりました。2002(平成14)年には東成田~芝山千代田間を結ぶ芝山鉄道が開業し、京成線との直通運転が行われています。
京成は2018年5月20日の10時から、東成田駅の改札外コンコースで40周年記念デザインのポストカードを配布。きっぷやICカードで改札内に入場してから駅員にポストカードを見せると、通常は立入禁止となっている専用ホームに入れるようにしていました。
この日はイベントの開催を聞きつけた大勢の人が詰めかけ、専用ホームに残されていた「なりたくうこう」の駅名標などを熱心に撮影していました。11時5分ごろには、1000人分用意されていたポストカードの配布が終了。このため京成は、東成田発のきっぷか入場券を買えば入れるよう変更しました。京成の広報担当者は「(ポストカードが無くなった時間は)思っていたよりも早かったです」と話し、予想外の人気に驚いた様子でした。
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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)
鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。
この施設が再び脚光を浴びる日が来るように願います