最近聞かない旅客機個々の「愛称」 日本の航空黎明期から振り返るそのいろいろ

「白鷺1号」から「うれシーサー」号、「手羽先」号まで

 このほかJALグループ各社の旅客機として、以下のような愛称が挙げられます

●JALグループの旅客機の愛称
・ボーイング777「スタージェット」:シリウス/ベガ/アルタイル など
・ボーイング737-400「フラワージェット」:コスモス/リンドウ/ハイビスカス など
・JTA ボーイング737-200「スカイシーサー」:うれシーサー/バンザイシーサー/ハイサイシーサー など

 JALと経営統合したJASでは、YS-11に「摩周」、「霧島」、「徳之島」など全国各地の地名が付けられ、ボーイング777には「レインボーセブン」という愛称も付けられていました。

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ANAの前身、日本ヘリコプター輸送の「白鷺1号」。ちなみにANAの客室乗務員OG会は「全日空白鷺(はくろ)会」という(画像:ANA)。

 一方のANAですが、前身である日本ヘリコプター輸送時代の所有機デ・ハビランド DH-114に「ヘロン(鷺)」という愛称があり、これにちなんだ「白鷺」という愛称がつけられ、1号から3号までがありました。ANAとなってからは、前出の「オリンピア」のような機材へのネーミングや、「ポケモンジェット」のような特別塗装機へのネーミングはありますが、基本的に1機ごとの愛称はつけなかったといいます。

 このほか、のちにANAへ統合された藤田航空のDH-114には「ミス八丈」と「ミス大島」という愛称が、同様にANAへ統合されたエアニッポンのDHC-8には、「つばき」「ひまわり」「すずらん」といったものがありました。

 このように、日本では機体ごとに愛称を付けるケースは見られなくなりましたが、海外のエアラインでは2018年現在もそうした事例が見られます。

 インドのエアインディには「パンジャブ」「ラジャスターン」「ゴア」など地名が、タイ航空には「チャオプラヤ」「ムクダハン」など地名や人名が、KLMオランダ航空のボーイング787には「ラベンダー」や「ハイビスカス」など花の名前が付けられています。面白いところでは、香港のLCC、香港エクスプレスにおいては食べ物の名前が付けられています。「春巻」「えび餃子」の中華料理に加えて、日本にちなんだ「手羽先」や「讃岐うどん」もあります。

 国内の航空会社では1機ごとの愛称は使われなくなりましたが、たとえば特急列車に見られる名前のようなものがあれば、愛着が沸くのではないでしょうか。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 記事中の記載が「機種毎の愛称(苗字)」と「機体毎の愛称(名前)」がごっちゃに
    掛かれていて判り難い。また「J-Bird」でのネタを振ったのに
    その後に全く違う話になっているのがおかしい。どうせならそのままJ-Birdによって
    付けられた「個別の愛称」を紹介するべきだった。
    記事としては練り込み不足なので改訂版を載せてください。

  2. 昭和24年の遭難事故に名前が出てくる「もくせい号」は植物の木犀ではなくて天体の木星にちなんだものだったのでしょうか