新幹線車両の異常検知強化へ 台車亀裂問題を踏まえ対策 JR東海

新幹線の台車亀裂問題を踏まえ、JR東海は、台車の温度を検知する装置を増設するなど、さらなる対策を発表しました。

指令所に専任の車両技術者を配置

 2017年12月に新幹線車両の台車枠に亀裂が見つかった問題を踏まえ、JR東海は2018年5月30日(水)、車両の異常を早期発見するための新たな対策を発表しました。

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台車枠と車体のあいだにある空気ばね。この圧力を自動的に分析し、異常を検知した際に運転台の画面で知らせる機能が追加される(画像:JR東海)。

 この取り組みは、JR西日本の新幹線車両の台車で、破断寸前の亀裂などが見つかった重大インシデントを受けたものです。JR東海は、これまでの安全確保に向けた対策として、メーカーに対し製造時の品質管理体制の強化を要請。また、より入念で詳細な検査や、新幹線台車温度検知装置による走行中の台車監視強化などに取り組んでいます。

 新幹線台車温度検知装置は、東京~新大阪間で現在、酒匂川橋梁(きょうりょう)(神奈川県)と豊川橋梁(愛知県)の2か所に設置していますが、さらに2019年度末までに、瀬戸川橋梁(静岡県)、木曽川橋梁(愛知県、岐阜県)、神崎川橋梁(大阪府)に増設します。また、各箇所で測定した温度データから各台車の温度推移を監視して異常の有無を自動判定する検知手法を新たに導入します。

 N700Aタイプの車両には、車体の下に設置されている空気ばねの圧力を自動的に分析し、異常を検知した際に運転台の画面にアラーム表示する機能を、2018年度末までに順次追加します。

 また、新幹線総合指令所では、専任の車両技術者を新たに配置。走行中の車両機器の状態や台車温度を監視できる端末を新設し、監視体制を強化します。今後の一連の取り組みの費用は約10億円です。

 なお、JR東海は、東海道新幹線の全乗務員と車内販売などを行うパーサーに対し、台車など車両に異常が発生した際のにおいや、通常の音を体感する訓練をすでに実施しているとしています。

【了】

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