赤十字マークの救急車あまり見ないワケ 自衛隊では逆に一般的なのも実は同じ理由
広く知られる「赤十字マーク」ですが、たとえば救急車の多くにはそれが付いていません。一方、自衛隊においてはそれこそが救急車の証にもなります。その違いは、実は同じ理由から説明できるものでした。
むやみに使うと罰せられる「赤十字マーク」
白地に赤い十字が描かれた赤十字マーク。医療や救急といえばこのマークを連想しがちですが、実はこのマーク、法律によってその使用が厳しく制限されているものです。そのため、たとえば消防署に配備されている一般の救急車や一部を除く病院などでは、この赤十字マークが使われていません。
「赤十字マーク」とは、戦争や紛争などで傷ついた人々を救うために、国際人道法(ジュネーブ条約など)や各国の国内法で厳格に定められたシンボルマークなのです。そのため、日本国内でおもに使うことが許されているのは、自衛隊の衛生部隊や日本赤十字社の関係者、そして赤十字社によって使用を許可されたものなどに限られるのです。
赤十字マークは、戦争や紛争によって負傷した者を救う人やモノ(上述の自衛隊衛生部隊など)を、敵の攻撃から守るために使用されます。いくら戦場であっても、負傷し戦意を喪失した者に追撃をするのは、国際人道法上許される行為ではありません。そのため、これらの負傷兵を救う人を保護するために国際的に定められたのが赤十字マークなのです。赤十字が描かれた船舶やテント、車両、衛生兵などは国際人道法によって攻撃対象外になります。もし赤十字を掲げた施設や装備品が攻撃を受けたのであれば、攻撃した側は国際人道法の違反行為を理由に罪に問われるおそれがあるでしょう。
空母いぶきじゃ中華空母の護衛だけどな。