赤十字マークの救急車あまり見ないワケ 自衛隊では逆に一般的なのも実は同じ理由
自衛隊内でもその扱いは厳格
こういった背信行為に繋がるような赤十字の乱用を防ぐために、自衛隊では赤十字の取り扱いに関する訓令を定めています。そこでは、赤十字腕章は一連の番号によって管理され、幕僚長などから許可された者以外は、この腕章を着用することができないといったルールが示されています。ほかにも、本当に着用する資格があるのかどうかを証明するための身分証明書も発行されています。
こうして厳格に使用が定められている、中立的立場を表す赤十字マークですが、世界の戦争や紛争地域では、目立つ赤十字マークが狙い撃ちされる場合が少なくありません。それは、現代の争いが、統率の取れた国同士の規模の戦いから、地域で対立する小規模な組織同士の戦いや、対テロといった非正規組織や民兵組織との戦いへとシフトしてきているのが大きな理由だといわれます。そのため、自衛隊も訓練内容によって、あえて赤十字を隠すこともあります。
また、衛生要員は必要最小限の自衛のための武器を携行しています。衛生要員の役目は傷病者の保護です。傷病者を安全に後送するためには、最低限の自衛戦闘を行う必要がある状況も想定されているということになります。
衛生部隊は傷付いた仲間を見捨てるようなことはしません。どんなに厳しい環境であっても、助けを求める仲間がいる限り、何度でも最前線へと向かうのです。
【了】
空母いぶきじゃ中華空母の護衛だけどな。