タマやクルマはどう落とす? 大空舞うトン越え物資、自衛隊の「物料投下」とは

航空機からパラシュートのついた補給物資が投下されるシーンは、映画などでも見られるものですが、実際のところどのように行われているのでしょうか。自衛隊における例を見ていきます。

補給品からクルマまで、「物料投下」とは?

 自衛隊は、様々な任務に対応するために、多くの搬送手段を持っています。そのうちのひとつが「空中投下」です。

 自衛隊で行う空中投下は大きく分けると、人員が航空機から飛び出す「空挺降下」と、荷物を投下する「物料投下」の2種類に分けられますが、今回は物料投下についてお話します。

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「プラットホーム投下方式」によって投下される陸自のクルマ(画像:陸上自衛隊)。

 自衛隊が作戦行動をする場合、基本的には航空機やクルマ、そして人力によって物を運びます。しかし、場合によっては航空機の離着陸ができず、クルマも進入できない場所で活動することも想定されています。いくら屈強な自衛官たちであっても、人力で運べる荷物の量は限られます。そのような時に選択される荷物の搬送手段が物料投下なのです。

 物料投下では航空自衛隊のC-1輸送機やC-130H輸送機が使用されますが、作戦の内容によっては、小型の物料をヘリコプターから直接投下する場合もあるそうです。

 投下される物料はおもに、弾薬、燃料、食料などの補給品などですが、空挺部隊が行動する場合にはクルマが投下されることもあります。

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「大形投下容器投下方式」で梱包された81mm迫撃砲の弾薬(矢作真弓撮影)。
「大形投下容器投下方式」で投下するC-1輸送機(画像:航空自衛隊)。
「大形投下容器投下方式」で投下するC-130H輸送機(画像:航空自衛隊)。

 空挺部隊は、敵の後方に落下傘で降下して作戦を遂行できることが強みの部隊です。このとき、クルマを投下することができれば、地上に降り立ったあとの移動速度を向上させることができて、徒歩で移動するよりも更に多くの荷物を運ぶことができます。

 クルマを投下するときには、地上に降りた空挺隊員の頭上にクルマが降ってこないように、先にクルマを投下します。

 無事に地上に降りた空挺隊員は、すでに地上へ降りているはずのクルマの回収に向かいます。このクルマですが、うまく着地しているとは限らず、場合によっては風に煽られて横転していることもあるそうで、その時は回収するのが大変なことになるそうです。

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コメント

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1件のコメント

  1. LAPES:Low-Altitude Parachute Extraction System (低高度パラシュート抽出システム)が書いてないな。
    まぁ空自はしないだろうけどな。