タマやクルマはどう落とす? 大空舞うトン越え物資、自衛隊の「物料投下」とは

弾薬や食料は重力に引かれて?

 もうひとつの方法が「大形投下容器投下方式(CDS)」と呼ばれる方式です。これは250kgから1tくらいまでの、比較的小型な弾薬や食料などの装備品や補給品を投下する場合に用いられる方法です。重物料投下器材である大型投下容器に投下物を収容して、「物料傘2号」または抽出傘を使用して投下します。

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「大形投下容器投下方式」の説明図。「コンテナ・デリバリー・システム」の頭文字をとって「CDS」とも(矢作真弓撮影)。

 地上で梱包した投下物を機内に搭載するまでは、先ほどのプラットホーム投下方式と同じなのですが、いざ投下する際には輸送機の機首を若干上向きにし、重力を使って投下します。

 目標地域上空まで近づいてきた輸送機は、後部荷物用扉を開放します。その後、C-1であれば約6度、C-130Hであれば約6度から8度ほど機首を上げます。機首上げをした後に、機内でウインチを操作して、投下物を固定しているハーネスを切断します。すると、貨物室内の投下物は、重力によってローラーコンベアの上を滑っていき、目標地域上空に投下されるのです。

 この方式の場合、C-1では最大で8個、最大総重量にして8tまで投下することが可能で、C-130Hの場合は最大16個、最大総重量にして約13.9tまで投下することができます。もし81mm迫撃砲の弾薬を投下しようとした場合、1個あたりの梱包重量は910kgになり、梱包時間は1個あたり15分だそうです。

 陸上自衛隊第1空挺団が所属する習志野駐屯地には、多くのクルマや装備品がありますが、輸送機に搭載できない装備品を除いて、持っているほとんどの装備品を空中投下することができるといわれています。

 こうして、航空機の離発着ができなくても大量の物資を運ぶことができる物料投下ですが、難点がひとつだけあります。それは、投下した物資が広範囲に散らばってしまうことです。また、場合によっては着地場所が悪かったり、風に煽られてしまったりして、投下した物料が破損することが考えられます。ほかにも、回収し切れなかった投下物が敵に持っていかれることもあるでしょう。

 それでも、補給拠点から遠く離れた場所で活動する部隊にとってみれば、多少の損失があるにせよ、物料投下は大切な補給品を確保するためのひとつの手段として非常に重要な役割を持っているのです。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. LAPES:Low-Altitude Parachute Extraction System (低高度パラシュート抽出システム)が書いてないな。
    まぁ空自はしないだろうけどな。