本邦初公開、米海軍病院船「マーシー」の船内は? 浮かぶ総合病院の最新設備と工夫(写真34枚)

米海軍が運用する「病院船」が初来日し、一般公開されました。世界でも珍しい部類に入る「病院船」という、ちょっと特殊な船を、船内写真とともに紹介します。

船内はまるで総合病院、「船」ならではの工夫も

 船内を巡ると、そこはまさに街の総合病院となんら変わりのない姿がありました。患者用のベッド数は1000床以上といいます。一方で、海を舞台に活躍する船だと認識させられるものを船内で見ることができました。それが非常脱出用呼吸具(EEBD)や水抜けが考慮された担架の存在です。

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非常用脱出呼吸具が収められたキャビネット(2018年6月16日、矢作真弓撮影)。

 非常用脱出呼吸具は、船内の多くの場所で確認することができました。それは集合住宅の1階にあるポストの様に設置されていて、緊急時にはすぐに使用できるようになっています。

 船内には普通の階段もあるのですが、手術室と病室を繋ぐルートは完全バリアフリーになっていて、上下階への移動も長いスロープを使って移動します。そのスロープ状の通路の壁には多数の担架が置いてありました。キャンバス地の担架は通路の端に積まれていて、水抜けを考慮した担架は壁に掛けてありました。水抜けを考慮した担架は、万が一落水した者がいた場合や、海上で助けを求める要救助者を引き上げるために用意してあるのだそうです。

 平時には23名の民間人スタッフと63名の医療関係海軍兵で運用されている「マーシー」ですが、有事の際には民間人スタッフは63名に、医療関係海軍兵は1215名にまで増員されるそうです。ただし、この増員数はミッションの内容によって変化するといいます。

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船内のスロープ。壁には多数の担架が掛けられている(2018年6月16日、矢作真弓撮影)。
歴代「マーシー」乗員の、名誉勲章受章者を紹介するパネル(2018年6月16日、矢作真弓撮影)。
船内の説明をする担当の海軍士官(2018年6月16日、矢作真弓撮影)。

 6月17日(日)には日米共同災害医療訓練が実施される予定で(6月16日19時現在)、日本政府は東日本大震災で病院機能が麻痺した経験から、船舶を医療拠点として活用できないか検討しているといいます。

 建造費や維持費など気になる点もたくさんありますが、自然災害の多い日本において、病院機能を強化した船舶の活用は、人命救助の観点からも非常に有効なのではないかと思います。

【了】

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Writer:

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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