東急、駅の券売機で銀行預金の引き出しを可能に スマホアプリとQRコード活用

東急線沿線以外へも展開の可能性

 またあわせて、ほかの鉄道事業者などがこのサービスの仕組みを活用することによる、東急線沿線以外へのサービス提供も検討が進められており、東急電鉄は、ATMがなく現金の引き出しに苦労する地域でも、生活の中心である駅においてそれが可能になり、地域の課題解決に寄与するといいます。

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サービス発表の記者会見に出席した、東急電鉄の髙橋和夫取締役社長(左から2人目)ら(2018年7月13日、恵 知仁撮影)。

 なおこのサービスは、東急電鉄の「社内起業家育成制度」によって発案されたもの。事業担当者である東急電鉄 事業開発室の八巻善行さんは、このサービスによる最大のメリットは駅の利便性向上で、いま国際的にキャッシュレス化が進むなか、いざ現金が必要になったとき「駅に行けば現金を下ろせるという安心感をお客さまに提供することで、日本のキャッシュレス化の推進に、駅という場を通じて貢献し続けたい」と話します。

 また、横浜銀行の取締役常務執行役員 前迫静美さんは、「日本はまだまだ現金決済が多く、手元に現金が無いと不安だという声も強いです。そうしたなかキャッシュレス化を進めるとともに、手軽に現金を引き出せる環境も整えることで、より多くのニーズに応えられる」といいます。

 東急電鉄は、今後もこのサービスに加え、駅の券売機を活用した新サービスの検討を進め、生活の中心である駅の利便性を高めることで、東急線沿線における生活価値の向上に努めるとしています。

 ちなみに東急電鉄の八巻さんによると、駅券売機の利用件数は2007(平成19)年のICカード乗車券「PASMO」導入からその分、下がっているものの、駅券売機で定期券が購入できるようになったこと、東急グループのポイントサービス「TOKYU POINT」との連携機能追加などにより、全体の利用水準は横ばい程度とのこと。そして、現在の券売機利用者の利便性を損なわず新サービスを提供することが大切と考えているそうです。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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5件のコメント

  1. まーた現金主義と独自規格の乱立か

  2. トラブルも色々起こるだろうし、デメリットしかない。

  3. 今後、東急沿線では利用客が自分の銀行口座の入出金を管理できなくなって破産するケースが激増するだろう。

    PASMOのオートチャージですら、あまりに便利すぎて入出金が管理できなくなり破産の危険を感じてやめたぐらいだ。

  4. >ATMがなく…(以下略)
    甘いな東急さん。
    駅付近にATM(コンビニでもなんでも可)が無い地域に役立つ?

    大丈夫ですよ。
    そのような地域の駅。
    券売機すらないですから。
    場合によっては駅舎すらあるか怪しい。

  5. >…現金が必要になったとき「駅に行けば現金を下ろせるという安心感をお客さまに提供することで、日本のキャッシュレス化の推進に、駅という場を通じて貢献し…
     ↑
    責任を引き受けます宣言 ? これ公式に言っちゃうと数年後に「やーめた」とは言わせてもらえなくなるのではないだろうか。