変わる駅のデジタル広告 単なるPRから「そこにいる人を動かす」ものへ

駅の広告に「いまなら近くの映画館、すいてるよ!」といった情報をリアルタイム表示

 いま、その場所にいる人を動かすために、デジタルサイネージの内容を状況に応じてリアルタイムで変化させる取り組みも行われています。

 2018年1月から2月にかけて、東京メトロの六本木駅と銀座駅、有楽町駅のデジタルサイネージで、近隣にある映画館の空席情報を表示させる取り組みが行われました。サイネージに大きく「今ヒマ?」といった文言を表示したのち、近隣シアターの上映作品と空席情報を配信するというもので、「『空いているなら観にいこうか』、あるいは『今日は無理でも明日ならば』ということにもなります」と、メトロ アド エージェンシーの上原哲朗さんは話します。

 このような広告は「ダイナミックデジタルOOH」と呼ばれ、海外では普及しているといいます。たとえば野球場などでは、試合が始まってチケットの値段が下がったことをリアルタイムにサイネージで周知する、といったことも行われているそうです。

Large 180730 signage 02

拡大画像

「今ヒマ?」の文言ののち、駅近くにある映画館の空席情報をリアルタイムで表示した広告(画像:メトロ アド エージェンシー)。

「駅の広告はデジタルになり、できることが大きく広がっています。たとえば商業施設近くのデジタルサイネージでは、食品が割引タイムになる19時台以前の広告と、19時台の広告、閉店間際の広告と出し分けたり、天候に応じて商品の広告を変えたりすることができるわけです。このように『なら行こう』という気にさせる広告を出せるのは、看板やテレビCMなどのマス広告と、大きく異なる点です」(メトロ アド エージェンシー 媒体戦略局戦略企画部 上原哲朗さん)

 メトロ アド エージェンシーによると、デジタルサイネージでその瞬間、その場所ならではのコンテンツを掲出することにより、商品の売り上げが数倍伸びたケースも確認されているそうです。

【了】

この記事の画像をもっと見る(2枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。