ドライバーが「SP」!? 「忍者ドライバー」も VIP気分のタクシー運行、背景に切実事情(写真10枚)

まだまだあるユニーク企画! 取り組みで得た大きな手ごたえ

 三和交通のユニークな取り組みはこれだけではありません。エイプリルフールには、どこかで見たことのあるタイムマシンのような装置をタクシー車両に搭載した「超脱臭!! 絶対クサくないTAXI」(2018年)や、「クラウン」のタクシーをもとにした二足歩行ロボット「ロボットのタクシー」(2017年)といったジョークコンテンツを本気で製作しています。また、タクシードライバーが案内する心霊スポット巡礼ツアーが様々なメディアに取り上げられるなど、次々に企画を打ち出しています。

 三和交通によると、これら企画の8割がたは、代表取締役社長である吉川永一さんが発案しているそうです。そのきっかけは、2013年に実施した「タートルタクシー」とのこと。

「タートルタクシー」は、前席シートの背面に「ゆっくり」と書かれたボタンを搭載し、乗客がこれを押すと、いつもよりブレーキや発進がやわらかく体に負担のかからないエコドライブを提供するというものです。タクシーは「いつも急いでいる」というイメージがあるなか、「早く走ってほしくないときもあるけど、なかなか言えない」といった乗客アンケートの声に着目したサービスで、現在も運行されているといいます。

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「タートルタクシー」の車内。乗客がボタンを押すと音がなり、ゆっくりとした運転が提供される(画像:三和交通)。

「じつは『タートルタクシー』は、カンヌライオンズ(毎年6月にフランスで開催される広告クリエイティブの祭典)に出品するためのコンテンツ製作を目的とした取り組みでした。こうしたブランディングによって採用がうまくいくことを聞きつけた代表 吉川の発案です。これで大きな反響を得たことから、翌年には広報部を設立し、会社のブランディングを強化しています」(三和交通)

 ユニークな企画を次々に打ち出すのも、「すべては採用のためです」と同社は話します。タクシー業界は高齢化が進み、今後の人材確保が最重要視されているなか、ブランディングを強化することで会社を知ってもらい、興味を持ってもらう狙いがあるそうです。実際に効果が出ており、こうした企画発表後に新卒入社数が例年の6倍以上になった年もあるのだとか。

「当社はSNSや動画投稿、生放送配信なども行っていますが、こうしたメディアは若者が特に敏感です。広報だけでなく現場を巻き込んで様々なコンテンツを発信し、明るくワイワイやっている感じが、社風のイメージにつながっています」(三和交通)

 三和交通ではこうした取り組みもあって、若者が増え、社内の雰囲気も以前と大きく変わってきているといいます。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. まあ、流しなら逆にこちらが流しちゃうかも?
    指定1000円はドライバーさんの演出料なんかね?

  2. 変な演出しなくて良いから運転が丁寧なタクシーを標準装備にして欲しい。