ロシア軍機伝統芸「トウキョウエクスプレス」とは 冷戦期以来の定番コース、目的は?

そのルーツは日露戦争時代に

 一方で対応する航空自衛隊も大変です。スクランブル待機している戦闘機基地は千歳基地(北海道)、三沢基地(青森県)、百里基地(茨城県)、小松基地(石川県)、築城基地(福岡県)、新田原基地(宮崎県)、那覇基地(沖縄県)の7つの基地ですが、Tu-142が日本列島に沿うように飛行するので、飛行進路に沿ってこれらの基地から順番に戦闘機をスクランブルさせねばならないのです。大変迷惑な話ですが、敵対行動や領空侵犯しなければ国際法上問題はなく、頭の痛いところです。

Large 180907 tex 02
2018年9月1日に見られた、ロシア機の飛行ルート。日本列島をぐるりと一周するのは珍しいパターンという(画像:統合幕僚監部)。

 防空識別圏に侵入した国籍不明機に対しては、航空自衛隊機の戦闘機が緊急発進(スクランブル)し、領空に侵入しないように監視しますが、2016年の緊急発進回数は冷戦期を越えて過去最高で1168回を数え、うち中国機に対するものは851回、ロシア機に対するものは301回。2017年は904回に減りましたが中国機に対しては500回、ロシア機に対しては390回となり、ロシア機への回数はここにきて再び増加しています。

「トウキョウエクスプレス」は戦後の1970年台が一番活発だったそうですが、実は明治時代の日露戦争時にも「トウキョウエクスプレス」があったのです。日露戦争の海戦といえば日本海軍がバルチック艦隊を破った日本海海戦が有名ですが、実はロシアのウラジオストク艦隊は東京湾すぐ近くまで進出して、日本に向かう船を沈めたり拿捕したりする通商破壊戦を行っていたのです。1904(明治37)年6月15日には陸軍の輸送船2隻撃沈、1隻大破という「常陸丸事件」が起き、7月には津軽海峡沖で商船2隻を撃沈した後、東京湾沖にまで進出して商船4隻撃沈、1隻を拿捕するという大胆さでした。しかも迎撃(スクランブル)した日本艦隊はロシア艦隊を補足できず、帝都の入口の制海権さえ危ういということで当時の帝国議会は政府と海軍への責任追及で紛糾したとされています。

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

道路交通情報(外部サイト)

  • 「最新の交通情報はありません」

コメント

1件のコメント

  1. トルコは撃墜してたのに