「いせ」はなにしに「リムパック」へ? 海自唯一の参加護衛艦が果たした役割とは

米が主催し多数の国が参加する世界最大規模の軍事演習「リムパック」ですが、海自護衛艦は唯一「いせ」が参加したのみでした。かつてに比べ海自艦艇の参加規模は小さくなったものの、大舞台にて「いせ」はキッチリとその役割を果たしました。

世界が注目、日本の災害対応

「リムパック」における演習項目の中に、「HA/DR」というものがあります。これは、「Humanitarian Assistance/Disaster Relief」の頭文字を取ったもので、日本語としては「人道支援活動/災害救援」と訳されております。

 パールハーバー湾内にあるフォード島という小さな島を、架空のグリフォン国と想定します。このグリフォン国で大地震が発生。各国で支援する、というシナリオの、いわば防災訓練です。日米を中心に数か国が参加し、7月13日には、負傷者を日米ヘリで洋上の「いせ」まで運びこみ、応急手当などを実施する訓練が行われました。

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オーストラリア軍の医官と共に、HA/DRの訓練に臨む海自医官(菊池雅之撮影)。
ヘリで「いせ」に運ばれた傷病者をエレベーターで艦内へ(菊池雅之撮影)。
「いせ」艦内で応急手当などの訓練が実施された(菊池雅之撮影)。

 日本は阪神淡路大震災以降、いくつかの都市型大規模災害を経験しました。東日本大震災では、世界でも類を見ない大津波による激甚災害も経験しました。世界は、日本から災害対処のノウハウを手に入れようとしています。フォード島に置かれた統制所では、日米のほか、チリやベトナム、そして地元消防など、いろいろな機関が共に訓練を実施しました。

 この時「いせ」は洋上拠点となりました。取材時の想定は、震災にともなう車両の多重衝突事故が発生し、傷病者が多数発生。これを受け日米のヘリを使い、傷病者を「いせ」へと運んできました。

 ヘリから次々とケガをした人が降ろされます。みな特殊メイクを施し、本当の傷のようです。ケガした部分からは血が滴り、骨が見えているなど、かなりリアルでした。

 担架に乗せられる人もいました。自立歩行が可能な人は、「いせ」乗員が肩を貸すなどし、エレベーターで格納庫区画へと運びこみます。ここではまず、「トリアージ」を行います。これはケガの程度により色分けをするというもので、「赤」は重傷、「黄色」は大至急手当てが必要だが「赤」ほどではない、「緑」は応急手当てが必要だが緊急を要さない、といったように、治療の優先順位を決めるのです。ちなみに「黒」もあり、こちらは死亡または、死亡する可能性が高い、ということで、治療はしません。

 海自やオーストラリアの医官が協力して応急手当てをしていきます。そして「赤」や「黄色」のタグが付けられた傷病者は、さらに本格的な手術や治療を行うため、ヘリで米病院船「マーシー」へと運ばれていきました。

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