「いせ」はなにしに「リムパック」へ? 海自唯一の参加護衛艦が果たした役割とは

敵機を撃墜せよ! 迫力の対空戦闘射撃

 7月20日には、「いせ」に搭載されている艦対空ミサイルESSMによる射撃訓練が行われました。射撃を行う場所は、カウアイ島沖にある「PMRF」と呼ばれる場所です。「Pacific Missile Range Facility」の頭文字をとっており、日本語に訳すと「太平洋ミサイル射場」となります。このエリア内には海中を含めてセンサーが張り巡らせてあります。ただミサイルを標的へと命中させるだけでなく、どのような航跡を経てどれくらいのスピードで標的まで近づいていったか、それが確実に撃破できる命中であったかなど、細かくモニタリングすることができます。カウアイ島には、バーキングサンズ基地があります。この基地がPMRFを管理しているとともに、標的を撃ち出す役割を帯びています。

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「いせ」甲板後方のミサイルハッチから発射されるESSM(菊池雅之撮影)。

 今回用いられたのは、陸上発射型の2機のBQM-74Eという標的機でした。これを撃ち落とすべく、「ESSM」が使われます。米レイセオン社が開発・製造した艦対空ミサイルで、これまでの海自護衛艦に搭載されてきた艦対空ミサイル「シースパロー」の発展型です。射程は30kmから50kmと言われており、後部甲板のVLS(垂直発射システム)に搭載されています。

 連続で2発のESSMが発射されました。白い煙の尾を引きながら、上昇し、目視では確認できない距離へと飛んでいきます。やがて水平線上に一瞬ピカッとした輝きが見え、標的機を撃墜しました。

 日本は参加規模こそ激減しましたが、これまでと変わらず実践的な訓練を繰り広げています。また2014年からは陸自も参加するようになりました。今回もこれまで通り、陸自は部隊をハワイへと送り込んで各種訓練に参加していました。

【了】

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