荘厳・貴重な「重文駅舎」復活へ 大正生まれ、復原中の門司港駅舎、内部が公開される(写真40枚)
東京駅とここだけである、駅舎が国の重要文化財に指定されている現役の駅、門司港。まもなく修理復原が終了するその駅機能部分について、内部が公開されました。大正時代の風が、どこからか吹いてきます。
現役は東京駅と、この門司港駅だけ
大正ロマン薫る建物が2018年11月、再び「駅」として働き始めます。
北九州市門司区にある、JR九州 鹿児島本線の門司港駅。1914(大正3)年に建築されたその駅舎の、6年以上にわたる修理復原工事がまもなく終了するのです。
まず11月10日(土)、駅機能(コンコースと窓口)が復活し、来年の2018年3月に建物全体がグランドオープンする予定です。なお現役の駅では、この門司港駅と東京駅丸の内駅舎だけが、国の重要文化財に指定されています(廃線の駅を含めても、旧大社線の大社駅〈島根県出雲市〉とあわせて3駅だけ)。
この駅機能復活を前にJR九州は10月9日(火)、その部分を報道陣へ公開しました。
コンコースは、黄色い天井や木材と、白い漆喰の壁のコントラストが印象的。この駅舎は木造ですが、コンコースという広い空間をつくるため、あわせて鉄骨も使用されており、JR九州 施設部の高木圭一郎さんはこうした木材と鉄骨のハイブリッド構造について、「大変貴重ではないか」と話します。ちなみにこの鉄骨は、今回の修理復原で建物を解体した際、近隣の八幡製鐵所でつくられたことが分かったそうです。
またこのコンコースには、かつてきっぷの対面発売に使われていた、小さな穴があいた出札口が並びます。しかし、いまとなっては使い勝手が良いとはいえないもの。今後、それを使ってのきっぷ発売は行われません。ただその出札口には券売機が設けられ、「きっぷを発売する場所」としての機能は復原されます。
臆病風に吹かれながらも怪しく未知なる物への好奇心は高鳴る