荘厳・貴重な「重文駅舎」復活へ 大正生まれ、復原中の門司港駅舎、内部が公開される(写真40枚)

黒漆喰がポイント また違った雰囲気の「旧一・二等待合室」

 指定券といったきっぷの発売は、コンコースの隣に設けられる「みどりの窓口」で行われます。かつて、1等車と2等車の利用者(いまでいうならグリーン車などの利用者)が使える待合室だった場所です。

 この「旧一・二等待合室」は、コンコースとはまた異なる落ち着いた色調の天井ほか、黒漆喰でつくられた飾り壁にも注目。一部に、大正時代当時の黒漆喰も残されており、その風合いに歴史を感じられるようになっています。

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修理復原が進められている門司港駅駅舎の「旧一・二等待合室」(2018年10月9日、恵 知仁撮影)。

 老朽化にともない、2012(平成24)年9月から始まった門司港駅駅舎の修理復原。難しかったことについて、JR九州 施設部の高木圭一郎さんは「資料を探すこと」だったと話します。かつての絵はがきなども参考にしたそうです。

 またこの修理復原にあたって、部材ひとつひとつが文化財であるため、できる限り元のものを使っているとのこと。ちなみに建物を解体したとき、太平洋戦争中に受けた銃撃の跡なども見つかったといいます。

 2019年3月の門司港駅駅舎グランドオープンでは、大正時代に同駅の2階で営業していた「みかど食堂」を、東京・南青山のレストラン「NARISAWA」と再興する、という思いで生まれるレストラン「みかど食堂 by NARISAWA」や、大正時代の雰囲気を生かしたスターバックスがオープンする予定です。

【了】

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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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コメント

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1件のコメント

  1. 臆病風に吹かれながらも怪しく未知なる物への好奇心は高鳴る