2年目の北海道新幹線、99億の赤字に 開業ブームひと段落 札幌圏路線は収支改善

JR北海道在来線の収支ベスト5・ワースト5

 北海道新幹線を除くJR北海道在来線の営業係数「ベスト5」「ワースト5」は次のとおりです。

●2017年度営業係数ベスト5(カッコ内は2016年度比)
(1)札幌圏:106円(-7円)
(2)室蘭本線・長万部~東室蘭:153円(+10円)
(3)石勝線+根室本線・南千歳~帯広:159円(-17円)
(4)函館本線・岩見沢~旭川:162円(-8円)
(5)室蘭本線・室蘭~苫小牧:169円(-15円)

●2017年度営業係数ワースト5(カッコ内は2016年度比)
(1)根室本線・富良野~新得:2405円(-231円)
(2)札沼線・北海道医療大学~新十津川:2182円(-427円)
(3)石勝線・新夕張~夕張:2118円(+437円)※2019年4月1日廃止予定。
(4)留萌本線・深川~留萌:1970円(+983円)
(5)日高本線・苫小牧~鵡川:1687円(-140円)

「札幌圏」は函館本線の小樽~札幌~岩見沢間、千歳線と室蘭本線の白石~苫小牧間、札沼線の桑園~北海道医療大学間を指します。2017年度はこの札幌圏で、新千歳空港のアクセス利用が好調であり、また、近年増備した快速「エアポート」用733系電車の減価償却費が減少したことなどから収支が大幅に改善したといいます。

 石勝線+根室本線の南千歳~帯広間は、2016年8月の台風災害で長期運休していた列車が運転を再開したことなどにより営業収益が増加。収支が改善しました。

 JR北海道全体の営業係数は、2016年度の166円から、2017年度は3円増えて169円でした。鉄道事業の収支をみると、2016年度に続き2017年度も全線区で赤字に。837億円の収益を上げるために要した費用は1397億円で、損益はマイナス560億円でした。

 なお、2017年度の線区別収支は、外国人旅行者向けの「北海道レールパス」と、「大人の休日倶楽部」会員向けの「大人の休日倶楽部パス(東日本・北海道)」の利用状況や、車両減価償却費の区分細分化を踏まえ、計上方法の見直しが行われています。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 北海道新幹線も鉄道会社が欲していたというよりも交通政策的に整備建設された路線。そのため、「赤字」であるならば社会的な補助を出すような考え方もあっていいと思う。JRはあくまでも鉄道を運営する役割、みたいな感じで。 赤字だから要らない子 的な主張はもうやめてほしい。

    • この類いは業界各々で衣を上手く着こなしただけの実質勝算の無い他人の褌相撲の氷山の一角ですからね
      補助も大切ですが逆に数合わせの補助目当だけで物ばかりが肥大化して空気ばかりを運んでるアホな現実もありますしね。
      己等が苦しくなりゃ早速に路線廃止で切り捨てた弱者を持ち出して赤字路線の維持が困難になるとか?ETC1000円の時の減収危機に早々に二枚舌乱発させたのはこの業界でしょうに?
      せめて北側から開業してりゃ面子も保てたろうに