雪と戦う新千歳空港、圧巻の「全幅一方向除雪」とは

滑走路の除雪だけじゃない! 冬の新千歳を支えるもうひとつのヒミツ

 冬季の安全な運航を可能にするには、路面の雪を取り除くだけでは不十分。飛行機自体に付着した雪や氷も取り除く必要があります。その作業が「デアイシング」。薬剤を機体に散布し、雪や氷を融かしたり、再び雪が付着するのを防いだりします。

 積雪地にある多くの空港において、飛行機はターミナルビル前のエプロン(駐機場)でデアイシングを行ったあと、離陸に向けて滑走路の端へ移動します。新千歳空港の場合、冬期間は滑走路南端まで移動して離陸するのですが、その地点まで国内線ターミナルから約3km、国際線ターミナルからだと5km以上も地上走行しなければならず、離陸待ちのあいだに防除雪氷剤の効果が切れてしまうこともありました。そうした際にはターミナル前まで戻ってデアイシングをやり直さなければならず、遅延の一因となってしまいます。

 こうした遅延を解消するため、新千歳空港には2010(平成22)年、滑走路近くに国内初のデアイシング専用エプロンが整備されました。デアイシング作業から離陸までの時間を短縮することはもちろん、再デアイシングの際もターミナル前まで戻ることなく作業でき、ターミナル前のエプロンを予定外に使用するという混乱を防ぐこともできます。こうして、遅延を大幅に減らすことが可能になりました。

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新千歳空港全景。中央やや上に飛行機の雪や氷を取り除くデアイシングエプロンがある(新千歳空港事務所の画像を加工)。

 ちなみに青森空港の除雪隊は、「青森空港除雪隊ホワイトインパルス」と名付けられ、作業見学ツアーなども開催されています。円滑な離発着のための作業が、冬の観光資源のひとつにもなっているのです。

【了】

※記事制作協力:風来堂、加藤桐子

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コメント

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2件のコメント

  1. TVのニュースで除雪車本体になにかトレーラが連結されてるのは見ましたが、何なのか分からなかった。

  2. 圧巻の「全幅一方向除雪」こういうネタこそ動画じゃね?