京葉線は千葉の鉄道をどう変えたか 新木場以東の開業から30年、新プロジェクトも浮上(写真48枚)

羽田空港や中央線へ…京葉線を変える新線構想

 羽田空港アクセス線は3つのルートを整備することが考えられています。そのうちのひとつ「臨海部ルート」は、新木場駅から東京臨海高速鉄道のりんかい線と車両基地回送線を通って東京貨物ターミナル駅に抜け、ここから羽田空港まで建設される新線を通ります。

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京葉線の30周年記念セレモニーの様子(2018年12月1日、草町義和撮影)。

 新木場駅の蘇我寄りでは京葉線とりんかい線の線路がつながっていますから、京葉線の蘇我方面や西船橋方面から臨海部ルートに乗り入れて、羽田空港に直通する列車を走らせることも不可能ではありません。ちなみにりんかい線は、貨物線の計画だった頃に建設された京葉線の地下トンネルを活用するなどし、誕生した路線です。

 このほか、総武線・京葉線接続新線の構想や、京葉線の中央線方面への延伸構想もあります。総武線・京葉線接続新線は、京葉線の新木場駅から総武本線の津田沼駅までを結ぶプロジェクト。このうち新木場駅から市川塩浜駅付近までは京葉線を複々線化しますが、線路を増設するための敷地はすでに確保されています。

 京葉線の中央線方面への延伸は、東京駅の京葉線地下ホームから西へ線路を延ばし、新宿駅を通って三鷹駅で中央線に接続させます。中央線・三鷹~立川間の複々線化も、京葉線の延伸とセットで構想されています。

 いずれのプロジェクトも膨大な費用がかかるなどの課題を抱えていて、具体化に向けた本格的な動きもほとんどみられません。とはいえ、これまで乗り換えが必要だった区間が1本の列車で行けるようになりますし、京葉線の延伸は中央線の混雑緩和も見込めそうです。今後30年でこれらのプロジェクトがどこまで実現するのか、注目されます。

【了】

※一部修正しました(12月1日19時1分)

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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

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7件のコメント

  1. 本論には直接関係ないですが、運政研は運総研になりましたよ。

  2. 僕も京葉線乗りましたwww

  3. 記念列車のコマ送り写真って要る?

  4. go様
    ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。

  5. 京葉線の課題はやはり、りんかい線の直通だろうか。
    ここがJRになれば京葉線から新宿方面の利用が増えて、総武線の遅延対策になると思う。
    総武線の混雑を京葉線やりんかい線に流すのも課題になりそう。

  6. 人口急減時代に新規の鉄道はもう不要。
    お金に余裕があるうちに既存の鉄道の維持補修費にまわさないとたいへんなことになる。

    • 中央線方面へはさすがにいらないが、臨海線とは今でも線路は繋がっているわけだから直通運転はすべきだな。
      それに人口急減時代でも羽田アクセスは必要だろう。羽田国際化。
      今後もリーズナブルで出来る直通運転が増えていくだろう。効率的。