海外での邦人保護、自衛隊はどう動く? 鳥取の陸海空舞台に「邦人保護措置訓練」実施(写真31枚)

空港で「ハンドシグナル」を習うワケ

 訓練の舞台は、空港での訓練を想定した空自美保基地へと移りました。

 ロープで仕切られたレーン、荷物チェック用のプラかご、金属探知機、セキュリティ係員によるボディチェック。空港の、国際線搭乗ゲートのセキュリティチェックで普通に見られる光景ですが、ここで働いているのは迷彩の防弾ベストを着用し、ヘルメットを被った航空自衛隊員です。警戒にあたるのもガードマンや警察官ではなく、小銃を携行した陸上自衛隊員で、ほかにMPの腕章をした警務科隊員や、赤十字腕章をした衛生科隊員の姿も見えます。

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格納庫内へ臨時に開設された「国際線搭乗ゲート」(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
金属探知機。ボディチェックしているのは空自隊員(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
格納庫の入り口を警備する陸自の中央即応連隊の隊員(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。

 国際空港としての出入国管理機能は喪失し、邦人出国手続きのため、セキュリティチェックのレーンや金属探知機、出国カウンター、待合室の椅子まですべて日本政府が仮設した、という設定です。

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紛争地の出入国審査機能喪失時は、衛星回線で日本と繋いだ端末で外務省職員がパスポートチェックする(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
格納庫の外に設置された衛星回線用のアンテナ(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
急病人発生の想定訓練も実施された。脱出邦人役を演じているのは自衛隊員(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。

 パイプ椅子が並んだ待合室では、搭乗前の説明が行われますが、普通の民間機ならまず聞くことがない内容もあります。それは航空機に搭乗を「案内」する自衛隊員による、手の動きや指の形で合図を送る「ハンドシグナル」の説明です。

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普通の国際線搭乗なら行われない「ハンドシグナル」の説明。このシグナルは「止まれ」を意味する(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
「ハンドシグナル」の説明。これは「しゃがめ」を意味する(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
航空機まで陸自隊員が誘導護衛する。「進め」のハンドシグナルが為されている(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。

 乗客は自らの安全のため、「案内自衛隊員」の指示に従わなければなりません。飛行場では航空機のエンジン音で声が聞こえなくなるので、不測の事態に備えて、「進め」「止まれ」「しゃがめ」「伏せ」「立ち上がれ」の、5パターンのハンドシグナルの説明が徹底されるのです。

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固まって航空機まで誘導される。身を隠す所もなく危険な場面。「ハンドシグナル」の必要性が理解できる(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
空自第3輸送航空隊のC-2輸送機に乗り込む脱出邦人役(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。
C-2輸送機に乗り込む脱出邦人役(2018年12月13日、月刊PANZER編集部撮影)。

 在外邦人の保護活動の中心になるのは外務省ですが、防衛省とも連携します。実際に現地で活動するには、外務省職員だけでは人数も装備面からも不可能で、自衛隊の協力が不可欠なのです。

【了】

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Writer: 月刊PANZER編集部

1975(昭和50)年に創刊した、40年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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コメント

1件のコメント

  1. 未だに日本が国外を武力を行使し辛い事の深刻さを知ろうともしない輩がおる