140円払えば関東一周できる? JR線「大回り乗車」を楽しむ 制限や注意点も

「大回り乗車」の注意ポイント

 ただし、この特例には必ず守らなければならないルールがあります。そうしないと、実際に利用したルートで運賃を請求されたり、不正乗車とみなされたりする可能性がありますから、注意しましょう。

1.大都市近郊区間の外には出られない

 出発駅と到着駅の両方とも「大都市近郊区間」のエリア内にないと、特例は適用されません。エリアは市販されている時刻表やJR各社のウェブサイトで確認できます。関東の場合、JR在来線の大半は「東京近郊区間」という大都市近郊区間に含まれています。

2.同じ駅を二度通るルートは不可

 同じ駅を二度通ったり、後戻りするルートでは利用できません。

3.途中下車は完全NG

 JRの乗車券は通常、片道の営業キロが101km以上なら途中下車できます。しかし、大都市近郊区間内の乗車券は、どんなに距離が長くても途中下車できません。

4.有効期間は1日だけ

 通常の乗車券は、利用する距離が長ければ長いほど有効期間も長くなります。大都市近郊区間内の乗車券は、原則として利用開始の当日のみ有効。2日かかるようなルートで大回り乗車することはできません。

※ ※ ※

 このように、「大回り乗車」には様々な制約があります。駅の外にある観光地に立ち寄ったり、駅前広場にある食堂などで食事したりすることはできません。

 とはいえ、窓の外に広がる景色は楽しめますし、駅の構内にある売店や食堂を利用したり、あらかじめ弁当を用意したりすれば、食事の問題も解決します。

 たとえば、東京~(総武本線)~成東~(東金線)~大網~(外房線)~安房鴨川~(内房線)~蘇我~(京葉線)~八丁堀間の322.3kmという大回りルートで途中下車せずに房総半島を回ると、窓の外に広がる太平洋や東京湾の景色を、わずか140円の運賃で楽しめます。

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コメント

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8件のコメント

  1. キセルを推奨するような記事はどうかと思うが、実際楽しいんだよな。

    • 初歩的な誤解なので読者諸兄に釈迦に説法と思いますが、近郊区間大回りは所謂キセルではありません。運送約款上認められた経路選択です。
      但し、記事中の条件に一つでも反したら不正乗車となります。

  2.  - しつもん -
    この旅行はスイカやパスモでも有効ですか ?

  3. ↑Suica/Pasmoでも可能です。ですが、浜川崎での南武線~鶴見線の乗り換えで一旦無人改札を出ることになるので(駅の構造上やむを得ない)注意が必要です。うっかり改札にタッチしたらゲームオーバーです。

    • Suica/pasmoは時間制限があるので、長時間経過後の出場時に引っ掛かります。
      (私の経験だと180円区間で1時間ほどでアウトでした)
      有人改札で説明すればOKですが、切符を買うのが無難です。

  4. 関西でもよく見かけますが、駅員に昼飯食いたいから外へ出せと文句を言ってる人を良く見かけます。ルールを守れない人がいると、守っている人まで迷惑します。ルールを守れない人を排除する方法を考えていかなければならないと思います。

    • 昔、福岡近郊区間で大回り乗車したときに、宇美駅での乗継の際に、近くの食堂で夕食を取った事が有りました。厳密に言うとラッチ外乗換では速やかに再入場すべきなのでしょうが、とにかく腹が減っていて、次の列車まで時間があり駅員さんも了解(黙認?)してくれました。勝田線があった頃、国鉄時代の話です。
      こういう話を書くと愚か者が勝手な解釈で無理筋を言うかもしれませんが……。

  5. このルート、たとえ終夜運転やっていたとしても実際に0時出発→終電終了でできます?首都圏終電繰り上げで無理になってしまったかな?