本当に実現間近か ヘリ老舗が「空飛ぶタクシー」で示す未来の都市交通のあり方とは

実現可能な姿で具体化、もはや「夢物語」ではない

 ベルは昨年の「CES2018」で、すでに「空飛ぶタクシー」の構想を発表していました。この時はキャビンだけを用意して、前列シートに操縦桿こそ装備されていたものの、そのコンセプトをVRで披露するのみにとどめていました。まさか、その翌年に早くも実物大のコンセプトモデルが登場するとは、誰もが予想しなかったでしょう。

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メッキ処理されたダクト内に直径8フィート(約2.4m)の巨大ローター(2019年1月、会田 肇撮影)。
操縦席は前方中央に1席。当面は有人飛行が主体という(画像:ベル・ヘリコプター)。
昨年の「CES2018」に出展されたベルの「空飛ぶタクシー」コンセプト(画像:ベル・ヘリコプター)。

 実物を目の前にすると、その大きさに圧倒されます。周囲にはダクトに囲まれた直径8フィート(約2.4m)のローターが6つあり、発表によれば車体重量は6000ポンド(約2.7t)。その姿は、まるで巨大なドローンそのものです。人が乗れるので当たり前ですが、その大きさは、ほぼヘリコプター並みと言っていいでしょう。ただ、道路上は走りませんから、「空飛ぶクルマ」という表現は当てはまりません。「ネクサス」は、ビルの屋上や専用ポートから垂直離発着するので、ヘリコプターに近いスタイルと言っていいでしょう。

 パワーユニットは、ガスタービンで発電してローターを電動モーターで回す、ハイブリッド型となっています。離陸した後は、ローターを垂直あるいは斜めに傾けた状態にして前へ進みます。最高時速は150マイル(約241km/h)で、航続距離も150マイル(約241km)と発表され、フル電動型よりも航続距離は長く設定されています。また、電動モーターでローターを駆動するため、通常飛行中は騒音がほとんどないのも大きなポイントで、その意味で、都市交通としての親和性は極めて高いとも言えます。

 定員は、パイロットを含んだ5名となっています。「Bell Nexus Air Taxi」と呼んでいるだけあって、観光タクシーとしての役割も果たし、たとえばAR(拡張現実)グラスを装着した乗客は、飛行データや現地の観光情報を楽しめるといったことも想定されています。

 つまり、ベルは「ネクサス」を単なる“夢物語”ではなく、近い将来の実用化に向けて開発を進めているのです。2023年にも「空飛ぶタクシー」の運用開始を目指している、ウーバー・テクノロジーズ(アメリカ)とのパートナー契約をすでに結んでいるのもその一環。ベルは、その実現へ向けた準備を着々と進めているというわけです。

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コメント

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1件のコメント

  1. アメリカの郊外ならともかく、日本においては、タクシーのような使い方は現状では出来ない。
    結局、ヘリポートや空港など決められた場所から、決められた場所まで。
    都会や住宅地のすぐ近くなどに着陸するとなると騒音、風、などさまざまな障害がある。
    航空法でも全ての場所を場外の離着陸場になど出来ない。
    また、どんな気象条件の時に飛行できないのかなどの問題もある。
    地上のタクシー並の就航率でないと、お客にそっぽを向かれてしまう。
    「アイランドエアシャトル」を除いてヘリコプターの定期便がないのはそのため。
    日本でも可能なように、研究をして欲しい。