1000円高速など逆風耐え 広島~呉~松山航路28年ぶり新造船、丸いデッキに込めた思い

道路との競合「何とか耐えてきた」 新造船への思い

 しかしながら、広島~呉~松山航路は厳しい経営環境に置かれています。瀬戸内海汽船によると、利用ピークは昭和50年代。その後は、1988(昭和63)年に瀬戸大橋(瀬戸中央道)、1998(平成10)年に明石海峡大橋(神戸淡路鳴門道)、1999(平成11)年にしまなみ海道(西瀬戸道。ただしこの時点では一部島内で一般道経由)と本州と四国を結ぶ道路が開通し、2009(平成21)年から2年間実施されたいわゆる「1000円高速」など高速道路の割引施策も行われたなか、「何とか耐えてきた」といいます。

 国土交通省によると、四国と本州・九州を結ぶ旅客フェリーやRORO船(車両を運べる貨物船)の航路数は、この20年間で約6割減少したそうです。広島~呉~松山航路では近年、外国人の乗客が増えているものの、全体的に見れば利用は横ばいだと瀬戸内海汽船は話します。

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現在就航中のフェリー「石手川」デッキ席(画像:瀬戸内海汽船)。

 日本旅客船協会によると、船の減価償却期間は大きさ(総トン数)にもよるものの、一般的に15年。しかしながら瀬戸内海汽船のように、「20年から30年がんばって、ようやく『収支トントン』という事業者がほとんどです。大手荷主からの要請、あるいは修繕費がかさむようになり新造を決断するケースがありますが、新造のきっかけがないという事業者も少なくありません」とのこと。

 瀬戸内海汽船の新造船は、老朽化した従来船の代替が主目的ですが、「航路そのものの認知度を向上させる」狙いもあるそうです。「人口減少や景気の悪化などもあり、近年は大阪や東京など、広域からいかにご利用を増やすかを考えてきました。船旅をアピールし、明石海峡大橋や瀬戸大橋などで四国へ渡られる方々に、目を向けていただきたいです」と話します。

【了】

【写真】現在のフェリー船内 懐かしのビデオゲームも

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コメント

2件のコメント

  1. 老朽化を踏まえての新造船とは言え何だか喉元過ぎれば?って感覚なんですが
    運賃も高速艇よりは安いもののフェリーとしては高い部類だし
    どちらかと言うと愛媛側の堀江港から出ていた航路のほうが車乗りとしては便利だったし

  2. 1000円高速の逆風に耐えたと言うが、しまなみ街道はあまりにも遠回りで、広島~松山では機能しなかったのだろう。
    ましてスーパージェットで移動してしまえば、尚更船舶利用ということになる。