「フェリーでETC」は広まるか 乗船手続き簡略化、ETC以外でも可能?

「フェリーでETC」の先駆、サービス終了のワケ

 シルバーフェリーと入れ替わる形で、ETCが使えなくなるフェリーもあります。神戸~高松間を運航する「ジャンボフェリー」です。同社は日本で初めて、2006(平成18)年から「IBAサービス」と呼ばれるETCを用いた決済サービスを行っていましたが、2019年3月末でこれを終了します。

 IBAサービスは、コインパーキングなどの会社であるパーク24が管理運営するもの。車検証情報とクレジットカード情報を登録すると、IBAサービスの会員証が発行され、(新規会員登録はすでに終了)その会員の車載器に限り、フェリー乗り場でETCによる決済が行われ、窓口での手続きなしで乗船が可能です。ジャンボフェリーによると、「『同乗者無料』などの割引をしていることもあり、利用はまずまず」といいますが、パーク24がIBAサービス自体を終了するのにともない、利用できなくなります。

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ジャンボフェリーが発着する高松港(画像:photolibrary)。

 IBAサービスは、街なかの駐車場などでETCによる決済を可能にするものとして誕生しましたが、2019年2月現在で使えるのは、ジャンボフェリーと、神奈川県の有料道路「アネスト岩田ターンパイク」(箱根ターンパイク)における通行料金決済のみです。ジャンボフェリーによると、IBAサービスが利用しているのはETCの情報のごく一部(利用車番号のみ)とのことで、ETCとは別のシステムを構築、運用するコストがかかり、ユーザーにとってもETCとは別の会員登録が必要になるなどの手間から、あまり普及しなかったといいます。

 とはいえ、ジャンボフェリーでは13年間の知見を活かし、ETC決済に近いサービスを検討しているといいます。ただ、それはETCにはこだわらないとも。「現在はいろいろな決済方法があります。車両のサイズや運賃を割り出すのは、お客様の申告によらずともできるので、手軽な方法を検討します」と話します。

【了】

【画像】シルバーフェリー新造船の内部

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コメント

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3件のコメント

  1. ETCと連携している車検証の情報はあくまでも登録時の情報ですからね
    前にトレーラーヘッドで連結検討以外の台車を牽引して不正通行した事例もありますからね
    例えば平ボデーなら3,8m以上の高さに荷物を積めちゃうわけだし
    5ナンバーや4ナンバー枠ギリギリの車にルーフキャリアを付けただけで実測上は車検証の記載事項の値を越えてしまうわけだし、近年は車検の満了間際に改造した構造変更登録をする人も少なくないのでフェリーの乗船くらいは車両を目視で確認することは欠かせないでしょうね

  2. 日曜日に東京湾フェリーを使用しましたが、雨でしたし、ETC決済が出来れば降りて手続きしなくていいのでよかったかな。

  3. 写真の解説に「ジャンボフェリーが発着する高松港」とあるが、実際は高松港から3km離れた高松東港を発着する。当然ながら、フェリーの写真もジャンボフェリーではない。シルバーフェリーは本物の写真を使っているので、ジャンボフェリーも同じように本物の写真だろうという誤解を招きかねない。ちゃんと注釈が欲しいところ。