中国がスーダン企業をフロント化 変わる世界の武器市場 背後にはオイルマネーの力も

中東で開催された防衛装備品の展示会にブースを構えたスーダンの企業、実はバックに中国がついているそうです。同会場では中国企業も見られ競合するように思われますが、そこには中国のある思惑が見え隠れしていました。

急成長の裏に中国の影

 筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は2015年から「IDEX」を取材していますが、回を重ねるごとに、MICスーダンの出展する防衛装備品はレベルが上がっているように感じられます。お世辞にも工業国とはいえないスーダンが、防衛装備の分野で急激に力を付けている理由のひとつとして、国防大学の設立資金を援助するなど、国防面でスーダンとの結びつきを強めている中国からの技術移転を挙げることができます。

Large 20190302 01
スーダンの城砦をイメージしたMICスーダンの展示ブース。アフリカ諸国などの軍人が多数見学に訪れていた(竹内 修撮影)。

 中国は、1950年代ごろから防衛装備の輸出を行なってきましたが、かつての中国製防衛装備品は旧ソ連製のコピーなどが多く、価格は安いものの性能面では、旧西側諸国の製品や旧ソ連製のオリジナル製品に比べて見劣りがしていました。

 しかし後にも述べるように、2019年現在の中国製の防衛装備品は、性能面でも欧米やロシアのメーカーに匹敵するレベルにまで向上しています。ただ、性能が向上したぶんだけ価格も上がり、また操作に高度な訓練が必要になるなど、これまでおもな輸出先としてきたアフリカなど発展途上国の軍隊には、手の届きにくい製品となりつつあります。

 ファッションの世界では、高所得層を対象としたファーストラインとは別に、より安価なセカンドラインを設けるブランドが少なくありませんが、中国はNORINCO(中国北方工業)などの自国メーカーが開発・製造する、高性能で高価格な防衛装備品をファーストラインと位置づけて、資金に余裕のある中東の湾岸諸国などを相手に販売し、MICスーダンが開発・製造する、性能面ではやや見劣りがするものの、安価で扱いやすい防衛装備品をセカンドラインとして、資金の余裕が無いアフリカ諸国に販売していくことを考えているようです。

 中国の、アフリカ諸国に対する防衛装備品の輸出に関しては、アメリカ軍でアフリカ地域を担当した元司令官、カーター・ハム陸軍大将のように、輸出先の正規軍における抑止力が強化され、地域の安定化につながると評価する声がある一方で、防衛装備品の安易な供給が地域の不安定化をもたらしている、という批判も根強くあります。中国にとってMICスーダンはこうした批判から身をかわす、絶好の隠れ蓑になるともいえます。

この記事の画像をもっと見る(7枚)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  5. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号