「8時ちょうどのあずさ2号」再び消滅へ JR中央本線ダイヤ改正で「通過」に

「通過」の背景にあるものとは?

 JR東日本は2019年3月のダイヤ改正で、「あずさ」の停車駅を大幅に見直します。すべての「あずさ」が停車する駅は、ひと駅減って新宿、八王子、甲府、茅野、松本の5駅に。ほかの駅も停車本数が減り、大月駅は下りが2本減の5本、上りは4本減って2本になります。この減少分のなかに「2号」が含まれているのです。

 また、東京都内の三鷹と山梨県内の塩山、山梨市、石和温泉の各駅は、「あずさ」の停車がなくなります。このうち三鷹駅を除く3駅は、東京と山梨を結ぶ特急「かいじ」が引き続き停車するものの、全体として特急の停車が減ることに変わりありません。

 これに対し、山梨や長野の自治体は反発。停車本数が減ることで客の乗り降りも減り、地元の観光や経済に大きな影響があるのではないかと考えたためです。長野県の阿部守一知事も、2019年1月11日の会見で「(JR東日本の長野支社長に対し)地域の声をしっかりと聞いて対応していただきたいと申し上げました」と話しました。

 これについて、JR東日本の深澤祐二社長は2019年2月5日の会見で「到達時間短縮と停車駅をどうするかは、相反する課題」「高速バスとの競合にさらされているのも事実。どう競争力を高めていくのかを考えていかなくてはならない」(2019年2月6日付け信濃毎日新聞)と述べ、競争力強化を目的とした所要時間短縮の一環として、停車駅を減らしたという認識を示しました。

 その一方で深澤社長は「地元の皆さんとのコミュニケーションが足りなかった。唐突だったという指摘を深く受け止めたい」とも述べています。

【了】

※一部誤字を修正しました(3月7日11時50分)。

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