おおさか東線「全線」開業! 新幹線ターミナルと大阪東部・奈良が直結
着工から20年を経て、おおさか東線が全線開業。東海道・山陽新幹線のターミナルと大阪東部エリアが乗り換えなしで移動できるようになりました。新大阪と奈良を結ぶ直通列車もデビューし、関西のJRネットワークが大きく変化しています。
新大阪~奈良間を50分台で結ぶ
おおさか東線が2019年3月16日(土)に全線開業。同日午前、新大阪駅の1・2番線ホームで記念式典が行われました。
JR西日本の来島達夫社長は式典で、「(おおさか東線は)国鉄時代に運輸大臣の認可を受け、そこから具体的な検討を始めて、約40年かかりました。多くの観光客の皆様、地元の皆様に利用してもらえればと思います」とあいさつ。その後、10時17分発の奈良行き直通快速が入線し、関係者によるテープカットとくす玉割りが行われました。
おおさか東線は、新大阪駅から大和路線(関西本線)の久宝寺駅(大阪府八尾市)までを結ぶ、全長20.3kmの新線です。ルートの大半は戦前に開業した貨物線を活用し、旅客列車を運転するようにしました。
工事は1999(平成11)年に始まり、2008(平成20)年には南側の放出~久宝寺間9.2kmが先行開業。北側の新大阪~放出間11.1kmが今回開業し、途中に南吹田、JR淡路、城北公園通、JR野江の4駅が新設されました。起点の新大阪駅は東海道・山陽新幹線のターミナルで、大阪東部エリアから新幹線への乗り継ぎが便利になります。
また、大和路線に乗り入れて新大阪~奈良間を結ぶ直通快速の運転も始まり、新大阪駅から奈良方面へのアクセスも強化されました。運行本数は、新大阪発が17~20時台(土休日は10、11、17、18時台)に4本。奈良発は6~7時台(土休日は7、8、15、16時台)に4本が運転されます。JR西日本によると、直通快速の所要時間は新大阪~奈良間で約55分。大阪駅で乗り換える現在のルート(約65分)より10分ほど短くなるといいます。
各駅に停車する普通列車は、久宝寺方面が67本(土休日66本)と新大阪方面が69本(土休日68本)です。日中は15分間隔で運転されます。標準的な所要時間は新大阪~放出間が16分、新大阪~久宝寺間が32分です。
【了】
Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)
鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。
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