最近聞かないソマリア海賊 海自哨戒機パイロットに聞く、その対処の「現場」とは?

海賊発生件数、ついに年間ゼロ達成!

 海上自衛隊や多くの国が参加した取り組みの結果、前述の通り、ソマリア沖・アデン湾における海賊発生件数は大幅に減少しました。2015年には海賊発生0件を達成、2016年以降の発生件数は若干の増加傾向にあるものの、件数が年間ふた桁に達したことは、2019年1月現在ありません。

Large 190123 pir 03

拡大画像

当時、那覇基地第5航空群のP-3Cパイロットとしてジブチへ派遣された小笠原1尉。最近は、眼鏡をかけた操縦士も少なくないという(関 賢太郎撮影)。

 海賊件数が下がった現在においても、「実施する任務についてはほとんど変わりありません」と小笠原1尉は述べ、実際に被害を最小限に抑えられている現実をして、「我々が監視することによる抑止力は、非常に効果的だと言えるのではと考えます」と、海賊対処行動航空隊の活動の意義を語りました。

 海賊の根源であるソマリアは、中央政府の統治が国中に行き届いておらず、安定した生活によって海賊行為そのものを止めさせるのは、まだまだ難しい状況です。当分は、派遣海賊対処行動航空隊の役割は、世界にとって必要であり続けるでしょう。いまやめてしまえば、ソマリア沖・アデン湾は再び無秩序に戻ってしまうかもしれません。

 自衛隊によるジブチ活動拠点への人員派遣は、いまも続いています。2019年1月15日(火)、第34次派遣海賊対処行動航空隊が出国、そして同1月30日(水)、第33次派遣海賊対処行動航空隊が帰国しました。

【了】

この記事の画像をもっと見る(4枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

1件のコメント

  1. 韓国海軍が介入して法則が発動する前に