ホームから駅の外まで5分 トンネル内のトキ鉄「筒石駅」で下車、開業以来の変化が
旧・北陸本線のえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインにある、新潟県の筒石駅。かつては地上にありましたが、ある事情から山岳トンネル内にホームを移設した珍しい駅です。利用者の減少が進み、開業以来の変化がありました。
発車時刻に着いても乗り遅れるワケ
とりあえず外に出ようと、トンネルの壁にあった扉を開けました。コンクリートで囲まれた待合スペースがあり、脇にはベンチの姿が。その奥を右へ曲がったところに階段があり、ここを上がると再び右に曲がって、直線の通路が数十mほど続いていました。途中で下り線ホームにつながっている階段が合流し、突き当たりを右に曲がると、目の前に現れたのは長い上り階段でした。
長さは100mくらいで、階段は100段、いや200段くらいはあるでしょうか。脇にはエスカレーターを設置できそうなスペースがありますが、これは駅の建設で資材搬入や作業員の輸送に使った斜行エレベーターの跡地と思われます。
一歩一歩、階段に足をかけ、奥のほうに見える光を目指して進みます。勾配は緩くて段差も低く、思っていたほど疲れませんが、それでも中間あたりまで到達すると、息が上がってきました。ホームを「出発」してから5分ほどで階段が途切れ、ようやく目の前に駅舎が。逆に言えば、少なくとも発車時刻の5分ほど前には駅に着いていないと、列車に乗り遅れることになります。
駅舎はシンプルな平屋建てで、一見すると工事現場で見かけるプレハブの詰め所のよう。待合室には誰もおらず、自動券売機やきっぷ売り場もありません。というより、窓口があった場所が板でふさがれており、駅員の姿も見えません。実は3月16日のダイヤ改正で駅員がいなくなり、無人駅になったのです。
駅の外に出て目の前にある道を少し進むと、右手には深い谷があり、正面には谷をまたぐ北陸自動車道のコンクリート橋が。そして橋の下に日本海の海面が見えました。周囲に民家が数軒あるものの、人の声が聞こえてくることはありませんでした。
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