NATO紆余曲折の70年 ソ連崩壊で大幅路線変更、その後のロシア関係は? 日本とは?

NATOが発足70年を迎えましたが、その存在意義などは、当初とは大きく変貌しています。もともとは北米と欧州の、名前通り北大西洋近辺を中心とした国家集団でしたが、2019年のいま、極東の日本も深い関係にあります。

NATOとロシア、そして日本

 1991(平成3)年にソ連が崩壊すると、NATOはソ連の跡を継ぐ形で誕生したロシアとのあいだで、協力関係の構築を開始します。

 まず、1990年代後半に、当時NATOが実施していたバルカン半島(地中海と黒海に面する地域)での平和支援活動にロシアからも要員が派遣され、また1997(平成9)年には、NATOとロシアの協力関係について定めた基本文書が結ばれたほか、2001(平成13)年にはモスクワにNATOの情報事務所が開設されました。そして翌2002(平成14)年には、各国共通に抱えるテロの脅威といった幅広い問題に関して、NATOとロシアが対等の関係で議論できる「NATO・ロシア理事会(NRC)」が誕生し、両者の関係はますます強化されていったのです。

 しかし、2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を、武力をもって制圧すると、NATOはロシアとの協力関係を打ち切り、現在ではロシアを明確な脅威とみなしています。それを示すように現在、NATO各国の軍隊はロシアとの位置が近いヨーロッパ北部での戦闘に対応するべく、寒冷地における戦闘能力の強化を推進しています。

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アメリカ海軍空母「ハリー・S・トルーマン」から発艦するF/A-18F。同艦は2018年、ロシアを意識し、同軍空母として27年ぶりに北極圏での訓練を実施(画像:アメリカ海軍)。

 一方、日本もNATOとは1990年代から深い関係を築いてきました。

 NATOは、日本を「世界におけるパートナー国」と認識していて、2014年に結ばれ、2018年に改訂された「日・NATO国別パートナーシップ協力計画」に基づき、サイバーを含む各種安全保障問題など様々な分野における協力関係を構築しています。なかでも海洋安全保障に関する分野での協力においては、海上自衛隊の艦艇とNATO各国軍艦艇とが共同訓練を実施したり、2017年にはNATOの職員として海上自衛隊から要員が派遣されたりするなど、その関係を強化しています。さらに2018年7月には、NATOの本部があるベルギーのブリュッセルに日本政府代表部が開設されるなど、近年その協力関係はより一層、密なものへと進化しています。

 結成から70周年を迎え、現在の国際情勢を考えるうえで重要な存在となったNATOは、いまやヨーロッパという地理的概念にとらわれない、日本との関係も含むグローバルな存在へと進化したといえるでしょう。

【了】

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