「単線新幹線」実現するか 長崎や四国の新幹線構想で注目、しかし数多くの課題が

線路「半分」で建設費「半額」?

 単線の北越急行ほくほく線(新潟県)を、日本の在来線では最も速い160km/hで走っていた特急列車(2015年3月に運行終了)の場合、越後湯沢~直江津間の所要時間(2013年4月時点のダイヤ)は45~58分で、13分もの開きがありました。最も遅い58分の列車は、途中でふたつの駅に停車。このうちひとつは反対方向の特急と行き違うため、7分も停車していたのです。

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在来線を改造して新幹線車両を走らせた秋田新幹線(2011年12月、恵 知仁撮影)。

 事故や災害が発生した場合も、複線に比べダイヤが乱れやすいといえます。上り列車が遅れて駅に到着した場合、その駅で行き違う下り列車は上り列車の到着を待たなければならず、下りも遅れるのです。

 また、建設費が大幅に安くなるとは限りません。国交省の試算によると、長崎新幹線 新鳥栖~武雄温泉間の建設費は複線整備案が約6200億円なのに対し、単線整備案は約5400億円(2019年3月8日付け西日本新聞朝刊)。線路の数が半分になるから建設費も半額になるかのように思えますが、実際はそれほど安くなるわけではないのです。

 新幹線を安く建設しようという取り組みは、これまでにも、在来線を改造して新幹線車両を走らせる「ミニ新幹線」や、新幹線の路盤を部分的に造って在来線の特急を走らせる「スーパー特急」などがありました。しかし、通常の新幹線規格(フル規格)に比べて速度が遅いなどの課題があり、ミニ新幹線は山形新幹線と秋田新幹線が整備されただけにとどまっています。

 単線整備案をミニ新幹線やスーパー特急に代わる建設費の削減策とするためには、さまざまな課題をできるだけ解消できる施策もセットで検討を進める必要があるでしょう。

【了】

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コメント

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10件のコメント

  1. 四国に新幹線か~、夢のまた夢なのか
    分からんけど何せキハ181しおかぜ時代から久しく利用した振り子のしおかぜに乗って速さに驚いたもんだけど
    それにしても金かかるね~
    長崎駅近くも新幹線でどう変わるのだろうか?
    あの門司港駅とか長崎駅のように在来線の末端の駅のような雰囲気が好きなのだが、先日もかもめ号を利用したけどあれでは用が足らんと言うことなのかね?自分はあれで十分だと思うし、ほくほく線のはくたかや碓氷峠のあさまでも不便を感じたことは無いけど年寄り独自の感覚なのか?
    四国もそうだけど長崎も難儀しそうだね~

  2. ともかくは新幹線
    まずは新幹線
    何がなんでも新幹線

    という発想が通じる時代じゃないぞ?
    山形県みたいに羽越新幹線さえ開通すりゃ、後は勝手に潤うさなんていう甘ったれた考えじゃ困る。

  3. 単線新幹線は建設費削減できるだけでなく、
    トンネル掘った時に出る土の量も減らせるし、
    建設期間短縮もできる。

    北越急行時代のはくたかよりさらにスピードも速いわけだから
    すれ違う回数も少ないはず。

    四国に限らず、北海道とかも単線で急いで新幹線を整備していったほうがいいのではないだろうか。

    あと四国は新幹線にこだわらず、単線リニアという選択肢もありな気がする。
    リニアならさらに行き違い減らせるし

  4. どうせ単線なら安く作れるからとか言って佐賀県を言いくるめて着工させた後に問題が起きましたからやっぱり複線にしますから在来線よろしくとかいうズルを狙ってるんでしょうね。
    東北新幹線盛岡以北のでのスーパー特急どんでん返しのように。

    現実問題としてフル規格車両で行くなら両区間とも単線で十分な気もしますけど。特急と違って停車駅減るわけですし。

  5. 高速鉄道を単線で走らせて事故起こした国が隣にあるのにようやるわ(実際には双単線)
    保安装置が故障や誤作動起こしたらどうすんだ?
    この国のハードウェア信仰は病的だな

  6. 単線だろうが複線だろうが四国新幹線実現に必要な考え方・議論の仕掛け方を書いておく。

    色々言いたいことがあるなかで、一番大事なのが
    「新幹線と在来線がお互いに補い合う関係」「新幹線と在来線がそれぞれ良いところを持ち寄り合う関係」を想定した経由地(ルート)選定をできる限り早い内からはじめておくこと。

    他にも言いたいことはいっぱいあるがとりあえずこれだけは押さえてほしい。四国新幹線実現を望む方々へ。

  7. 青函トンネルを単線化して、新幹線と貨物列車で共用してはどうか? すれ違う必要がないので、高速化できる。それほど本数がないので運行スケジュール的には十分可能だと思う。

  8. 新幹線より、在来線の高速化をすべき。新幹線開通に伴い在来線の3セク化は、地方に負担を強いることになる。四国や、山陰線は在来線を160キロ以上の速度で運転できるような改良で済ますべき。
    単線の新幹線の場合、信号設備は単線のため両方向からの運航に対応する必要もあり、土地の費用と線路の建設費以外、ほとんど同額かかると思われるので2割ほど下がればよいところ。それより切り捨てられた在来線の負担が大きすぎる。特に山陰線などは、全線を直通する列車はないし、益田以西は普通列車しかない。

  9. 「基本計画線」は単線区間と完全な複線区間を組みわせること(但し列車交換の線路は長めにし列車の迂回に対応させる)
    最高速度は控えめにすること
    カーブも今造っている新幹線より多少きつくすること
    これで建設費・維持管理費等はある程度抑えられる
    そして
    途中の空港を経由駅に組み込み、遠距離は国内航空中長距離は新幹線と役割分担させる
    交通機関を組み合わせ相乗効果を発揮させる見地が今後の新幹線整備に必要だと思う。

  10. 「単線整備案が浮上している四国新幹線は、大阪市から四国を通って九州の大分市までを結ぶ。全線未着工だが、淡路島と四国とつなぐ大鳴門橋は新幹線用のスペースがすでに確保されていま「る」(2011年7月、草町義和撮影)。」

    「います」が「いまる」になっている。