工事現場も下水道も「観光資源」 国ぐるみで推進する「インフラ観光」その魅力とは?
道路やダム、水道施設といったインフラそのものを観光資源とする「インフラツーリズム」の拡大に国が力を入れています。高速道路会社も、自社の資産を活用したツアーを新事業として打ち出すほど。どのような魅力があるのでしょうか。
道路会社も「新規事業」とする「インフラツアー」
道路やダム、水道施設といった生活を支えるインフラ。それらを「観光資源」として活用する動きがあります。
たとえば、東京湾アクアラインのトンネル内避難路などを見学する「裏側探検ツアー」。NEXCO東日本が年に1回行っていたところ、2019年から通年に拡大し、同社の旅行部門が主催するバスツアーなどのほか、外部の旅行会社によるツアーの受け入れも始まりました。
NEXCO東日本ではこのほか、関越道の関越トンネル(新潟・群馬県境)の裏側や、常磐道の4車線化工事現場を見学するバスツアーなども実施しています。参加者からは「工事について勉強になった」「ふだん見られないところを見られてよかった」「特別な体験だった」といった声があるとのこと。
一般的に道路建設などの公共事業は、地元の協力が不可欠であることから、主に地域住民へ向けた施設見学会などが行われています。NEXCO東日本はそれを2018年に「新規事業」として位置づけ、旅行商品としての「インフラツアー」を本格化させているのです。ツアーの添乗員として参加者を案内している同社の新事業推進部、大西秀平さんによると、「地域の方に高速道路のことを理解していただくのが第一義ですが、政府も『インフラツーリズム』を盛り上げていることもあり、遠方からも参加しやすいようにしました」とのこと。
国土交通省総合政策局は2019年3月、「インフラツーリズム拡大の手引き(試行版)」を策定し、道路や河川、ダム、砂防、下水道、港湾、空港などに関連する土木施設への観光者数を、2017年の年間50万人から、2020年には100万人に増やす目標を掲げています。これら施設は「観光資源」として、どのような魅力があるのでしょうか。
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