道ならぬ「酷道」、国道の「車両通行不能区間」とは 登山道やけもの道、解消工事進む

「国道」のイメージを裏切るような、通行に注意が必要な国道は、愛好家のあいだで「酷道」と呼ばれます。その最たるものが、そもそもクルマが通行できない「車両通行不能区間」です。この区間を解消する工事が各地で進められています。

古来の街道が、国道の車両通行不能区間に

 こうした車両通行不能区間を解消する動きは、山深いことで知られる新潟・福島県境でも見られます。新潟市と福島県いわき市を結ぶ国道289号のうち、車両通行不能区間である県境部の八十里越(はちじゅうりごえ、新潟県三条市~福島県只見町)に車道を通す工事が進められているのです。国道289号にはほかに、福島県内の甲子峠(かしとうげ、福島県下郷町~西郷村)にも車両通行不能区間がありましたが、こちらは事業着手から40年以上の歳月をかけ2008(平成20)年に車道が開通しました。

 車両通行不能区間として残る八十里越は明治後期まで、越後(新潟県)と会津(福島県)を結ぶ重要な街道でしたが、鉄道や自動車の時代へ移り変わるなかで使われなくなり、のちに国道指定されたものの、車両通行不能区間という扱いになりました。周辺は日本有数の豪雪地帯であり、そこに残る旧街道(国道の現道)も実際には、けもの道に近い状態のようです。これに代わり、14のトンネル、16の橋からなる約20kmの新道を建設する事業が、1986(昭和61)年から進められており、2023年度の開通が目標とされています。

 福島県の最西部に位置する只見町は、現状で新潟県へ抜ける唯一の、クルマが通れる国道である252号が冬季には閉鎖されます。会津若松市方面へは冬季も通行できますが、医療や買い物には不便とのこと。八十里越の車道が開通すると、只見町と隣接する新潟県三条市とのあいだは、現在の国道252号・関越道・北陸道経由から59分短縮の79分となり、会津若松市よりも近くなるそうです。

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国道289号「八十里越」の車道建設状況(画像:長岡国道事務所)。

 ちなみに、青森県外ヶ浜町の竜飛岬付近にある有名な「階段国道」も、車両通行不能区間のひとつです。竜飛岬の丘の上から、海沿いの漁港に通じる388.2m区間で、階段が国道339号に指定されています。外ヶ浜町によると、もともと車道を通す計画があったそうですが、「階段国道」が有名になったこともあり、そのままになっているそうです。

【了】

【写真】日本一有名な車両通行不能区間? 「階段国道」

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