京急「だるま電車」800形が引退特別運転 伝統の「ドア」と「ライト」消える
「新技術」と「昔ながらのデザイン」が同居
また、従来の車両は赤をベースに白い細帯を窓の下に巻いていましたが、800形は窓の周りを白く塗り、白の部分を大きく広げました。特に先頭の部分は赤と白、そして黒の3色がそろっているためか、鉄道ファンからは「だるま」と呼ばれました。
この塗装はのちに、快特など通過駅が多い優等列車の塗装として使われることに。800形は従来車に近い塗装に塗り替えられましたが、先頭の塗装は変わりませんでした。なお、2016年には823編成がデビュー時の塗装に戻されています。
このほか、「界磁チョッパ制御」や「電力回生ブレーキ」など電気を効率的に使うことができるシステムを導入。運転室のハンドルレバーは、自動車のアクセルペダルに相当するレバーとブレーキレバーを一体化をした「ワンハンドルマスコン」を採用するなど、当時としては最新の技術や機器類が多数盛り込まれました。このイベントに同行した元運転士の関係者は、800形について「(貫通扉のある車両に比べ)運転室が広くて見通しもよく、ワンハンドルマスコンも使いやすくて運転しやすかった」と話しました。
その一方、京急の車両の「伝統」となっていた昔ながらのデザインも「同居」しています。そのひとつが「片開きドア」です。
かつての通勤電車のドアは、ひとつの引き戸が片側に開く「片開き」が一般的でしたが、1960年代から1970年代にかけ、引き戸をふたつに分けて両側に開く「両開き」が普及。ところが、京急は1970年代末期にデビューした800形まで片開きドアを採用し続けました。これは京急の副社長を務めた、故・日野原 保氏の方針によるものといわれています。
もしかしてアンチクライマーも800系とともに絶滅か
京急は1978年初登場の車両群を「古い」といって全車廃車にした。なお京急が広告を出している関西大手私鉄は1983年初登場の車両群を「まだまだ新しいし使えるで!」と言って現在絶賛更新中……。