ハイブリッド車の「回生ブレーキ」そもそもどんなブレーキ? 鉄道では古くから普及
当初の目的は「省エネ化」ではなかった
回生ブレーキの歴史は古く、日本の鉄道では1928(昭和3)年にデビューした高野山電気鉄道(現在の南海電鉄高野線)の100形電車で、初めて採用されました。国鉄は1935(昭和10)年製のEF11形電気機関車に回生ブレーキを初めて導入。戦後の1951(昭和26)年にも、回生ブレーキを本格採用したEF16形電気機関車がデビューしています。
これらの車両は省エネ化が目的ではなく、山岳地帯に敷かれた急勾配の線路を走るため、回生ブレーキを採用しました。
摩擦材などを押しつけて車輪の回転を抑えるブレーキは、使っているうちにすり減り、メンテナンスの手間がかかります。一方で回生ブレーキは摩擦材を使わないため、特に強いブレーキをかけることが多い急勾配では、大きなメリットがあるのです。
1960年代以降は、消費電力の削減を目的に回生ブレーキを導入した電車が登場。1968(昭和43)年から製造された営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線の6000系電車は、回生ブレーキなど電力を効率的に使える技術を採用したことで、従来の車両に比べて消費電力を2割ほど節約できたといいます。
さらに、1970年代には石油ショックを機に電車の省エネルギー化が進み、国鉄でも回生ブレーキを採用した通勤形電車の201系が1979(昭和54)年にデビューしました。いまでは多くの電車に回生ブレーキが導入されています。
また、近年はJR東日本のGV-E400系など、ハイブリッド方式や電気式のディーゼルカーなどでも回生ブレーキを採用する例が増えました。自動車のハイブリッド車と同様、回生ブレーキにより発生した電力をバッテリーに充電し、あとで加速するときの電力として使います。
【了】
GV-E400系の場合、ハイブリッド気動車に搭載されている大容量バッテリーがないので、減速時の回生電力を加速時のアシストとして活用することが出来ません。あくまで抑速機能として車内負荷により回収するだけです。電気式気動車とハイブリッド気動車の違いについて記者の方ももう少し勉強した方が良いでしょう。