日本唯一、砂浜をゆく高速バス 「北陸道グラン昼特急」和倉温泉行き特別便がスゴイ!

「金沢14時発車」「砂浜経由」「旅館に停車」の意味

「北陸道グラン昼特急大阪号」和倉温泉行きには、和倉温泉を旅の起点にしてもらい、中能登に観光客を引き込むという狙いがあります。金沢駅を14時に発車するダイヤも、大阪からの観光客だけでなく、午前中に東京周辺を出発して北陸新幹線でやってくる観光客の利用を想定しています。そして運行ルートに、数々の観光客向けアンケートで「今後行ってみたい観光地」として上位に食い込む「千里浜なぎさドライブウェイ」を組み込めば、移動時間も十分に価値が出るというわけです。

 中能登地方から見た観光地としてのライバルは、奥能登だけではありません。金沢から無料入浴券付きで直行バスを走らせている加賀温泉郷(加賀市と小松市にまたがる複数の温泉街の総称)などもそうでしょう。もっとも、最大のライバルは、兼六園や金沢21世紀美術館などを1日で巡り、盛りだくさんに楽しめてしまう金沢の街そのものかもしれません。

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車内では要所で観光案内のアナウンスが映像つきで流れる(2019年5月、宮武和多哉撮影)。

 ちなみに、和倉温泉発の「北陸道グラン昼特急大阪号」は、金沢駅までの運行です。金沢駅から北陸新幹線あるいは大阪行きのバスへ乗り換える前に、金沢散策を楽しめるダイヤが組まれています。また、和倉温泉と富山県内の氷見・高岡を結ぶ加越能バスの高速バス「わくライナー」を利用し、富山方面の観光を楽しむという選択肢もあります。

【了】

【写真】「バスが砂浜へ突入」の一部始終

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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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コメント

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3件のコメント

  1. チト車には厳しい環境だが良いアイディアだな

    • なんといっても砂の上だし、素人目には確かに不安になりますな。

  2. 毎回興味深く楽しい記事を配信有り難うございます。
    2019年7月5日「日本唯一、砂浜をゆく高速バス 「北陸道グラン昼特急」和倉温泉行き特別便がスゴイ!」の
    記事に添付写真の脚注について誤りがあります。
    8枚目の写真に和倉温泉の源泉を記念する施設「涌浦乃湯壺」が添付されていますが、脚注では「湧浦乃湯」と記載されています。単なる変換ミスだと思いますので、機会があれば訂正お願いします。