「スクールゾーン」の保育園・幼稚園版「キッズゾーン」設置なるか 大津市が検討
大津市で保育園児2名が死亡した交通事故を受け、市は「キッズゾーン」の設置を検討しています。小学校の周辺などで見られる「スクールゾーン」の幼稚園・保育園版ともいえるものです。
「スクールゾーン」と別に設ける必要性とは
小学校の周辺道路が「スクールゾーン」に指定されているケースが見られますが、これとは別に、今後、保育園や幼稚園の周りで「キッズゾーン」なるものができるかもしれません。
この「キッズゾーン」の導入を、大津市が検討しています。市内では2019年5月8日、園外活動中だった保育園児2名が死亡する交通事故が発生しました。これを受け、市は保育園・幼稚園における散歩ルートなどの安全点検を進めつつ、さらなる対策として「キッズゾーン」の設置を国に働きかけたといいます。
従来の「スクールゾーン」は、小学校における通学路の安全を確保するための施策です。基本的に小学校から半径500m程度の通学路が対象で、通学時間帯にはクルマの乗り入れを禁止するといった交通規制を敷くことがあるほか、路面標示や標識、電柱の看板などで「スクールゾーン」であることをわかりやすく示し、ドライバーに注意を促すケースが見られます。しかし大津市では、保育園や幼稚園の周りに、このようなゾーンはなかったそうです。
大津市からの「キッズゾーン」設置要望を受け、自民党は5月27日(月)に党本部で開いた交通安全対策会議でこれを議論、近く政府に提言する構えです。
「『スクールゾーン』は地域によっては保育園・幼稚園も対象とすることがありますが、統一した基準がありません。また、交通規制がある場合も通学時間帯を対象としており、保育園や幼稚園の園外活動が行われる時間帯とは異なります。園庭がないなどの理由で、園外へ出て活動するケースがあるなか、その注意喚起と安全の啓発を目的として政府に提言します」(自民党本部)
大津市幼児政策課によると、「キッズゾーン」は路面標示やカラー舗装などでの注意喚起を考えているとのこと。「仮に交通規制をともなえば、警察や公安委員会との連携はもちろん、地域の方々のご理解もいただかなくてはいけません」といい、保育園や幼稚園の散歩ルートを点検したうえで、「スクールゾーン」との兼ね合いを考慮しつつ、そのあり方や設置範囲を検討していくといいます。
【了】
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