海底下数千m、巨大地震の発生現場どう探る? 研究の最先端は異形の船「ちきゅう」に!

世界有数の地震多発国である日本は、国としてもその研究に力を入れており、世界初という試みも、いくつもなされています。そのひとつが発生現場の直接観察。海底下数千mというとてつもない深度へ、異形の船「ちきゅう」が挑みます。

実際にどう海底を掘り進める?

「ちきゅう」が行う「科学掘削」とは、具体的にどのように実施されているのでしょうか。簡単にいえば、先端に強靭な刃先を付けた筒「ドリルパイプ」を繰り出して回転させ、海底下を掘り、目的の深度で地層・地質試料を採取し、船上の研究室で細かく調べるというものです。

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掘削作業の中枢部「ドリルフロア」。床の黄色く囲われた部分が井戸芯で、ドリルパイプはここから降ろされていく(貝方士英樹撮影)。

 先述したデリック(やぐら)の基部が「ドリルフロア」と呼ばれる区画で、その下層に「ムーンプール」という開口部があり、ここからデリックに吊られたドリルパイプが海中へ降ろされていきます。デリック前後には何本ものドリルパイプが平積みされており、これを継ぎ足しながら目的の深度まで掘り進めていく、というのが基本です。ドリルパイプ1本の長さは9.5mですが、目的の深度は海底までの数千mに加え、海底下数千mであり、つまり膨大な数のドリルパイプを継ぎ足すことになります。気の遠くなりそうな作業ですが、もちろん自動化されています。

 ドリルパイプが目的の深度へ達すると、その中をサンプル採取器「コアバーレル」が降り、先端中心の開口部から繰り出され、地層を採ります。採取そのものはパイプでえぐるように取るため、目的の試料「コアサンプル」は、円柱状で全長9mから9.5m、直径約70mmのサイズになります。

 パイプ内を通るワイヤーで船上へと引き上げられたコアサンプルは、船首側にある研究区画へ移送され、作業しやすいよう1.5mずつに切断されます。研究区画は4層構造で、最上階から下へ向かって「コアの切断」「冷蔵保管」「非破壊内部構造分析(X線CTスキャン)」「各種の精細な分析」「保管(アーカイブ試料用)」という流れで、分析や処理などが行えるように各種分析機器が配置されています。

 大掛かりな設備で小さな試料を掘り出し、分析はミクロレベルで行われます。数千mからミクロ単位へ、オペレーションスケールの変化はダイナミックです。

【写真】海底地盤に挑む「ちきゅう」のドリルの最先端部分 ほか

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